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第7話

彩香さんには不釣り合いに思える様なショートケーキ。 きっと数日後に催されるパーティーでは大きなケーキや彼女に相応しいプレゼントが贈られるんだろう。 「これ、私の為に?楽都が用意してくれたの?」 ソファーに腰を下ろしながら彩香さんは瞳を輝かせて聞いてくる。 「この辺りでは結構評判のお菓子屋さんのケーキなんですよ。ささやかだけど、僕の気持ちです。」 フォークを手渡しながら呟くと美しい顔を僕に向け花が綻ぶ様に彩香さんが微笑んだ。 「ありがとう。嬉しいわ。」 「彩香さんならもっと高価なものを貰うんだろうけど・・・」 「楽都が私の為に選んでくれたって事が重要なのよ。ありがとう。」 フォークを受け取ってケーキを掬うと優雅に口に運ぶ。 「美味しい。」 「良かった。まだあるから良かったら持って帰って。」 「まだあるの?それなら楽都も一緒に食べよう。」 彩香さんがそう言ってくれて残りのケーキを僕とヘルプの子や席に付いてないフリーのホストも呼んで皆でワイワイと食べる。 彼女の優しさと本当に嬉しそうな笑顔を見ながらささやかなバースデーパーティーは賑やかに続いた。

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