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第13話
「隆義 さんも、一緒に触って」
手首を掴まれ、一緒に握られ擦られているそれへと誘導される。
言われるがままに触れた彼のペニスがびくりと反応し、ふっと吐息を漏らした彼が、満足そうに私を見つめた。
「そんなんじゃあ足りないですよ」
「あっ、」
さきほどまでとは違うリズムで、触れ方で、彼が私をさらに刺激する。呼吸もより乱れ、彼ももうすぐ果てそうだと分かった。
「そろそろ、やばいです……、」
「はあっ、あ、」
一緒にと耳元で囁かれたものの、その声があまりにも甘くて、私だけ先にあっけなく果ててしまった。
そんな私に彼が優しくキスを落とし、それから私の膝を合わせると、太腿の隙間にペニスを捩じ込んだ。
「隆義 さんのここ、気持ちいです」
「あっ、」
まるで本当にセックスをしているようだ。腿の間から彼の亀頭が覗く。彼は私の腹に押し付けるようにして、何度も自分のをそれ擦った。
汗が滴り、どうしてか色っぽく見える彼に、私は唾を飲み込む。
「ふうっ、」
彼の先から溢れた白濁が飛び散り、私の頬にまで及んだ。はっとした彼が、慌てて私の頬を拭う。
「隆義 さん、ごめんね。かかっちゃっいましたね」
謝る彼をよそに、これまでよりも強く感じた彼の匂いに、再び私の下半身が疼く。
「あ……」
「あれ、隆義 さんの、まだ足りないみたいですね」
自分でも処理をほとんどすることはなく、もうとっくに枯れたと思っていたのに。
こんなおじさんがここまでされても足りないとおねだりしているようで、あまりにも……。
「そんな顔しないで。俺は嬉しいですよ」
何が良かったのか、彼のそれも勃ち上がったままで、それを見た一瞬の間だけ、何もかもどうでも良くなってしまった。
それがまずかったようで、その一瞬の隙に付け入られ、流れるように彼に触れられる。
止めようと伸ばした手には力が入らず、意味もなく伸ばしたまま空を掴んだ。
「せっかくだから、俺の背中に回してください」
邪魔だと笑いながら、彼が服を脱いだ。この仕事だから鍛えなくても自然と筋肉がつくのだろう。引き締まった身体が、今は魅力的に映る。
誘導されて伸ばした手で彼の素肌に触れると、これまで感じたことないくらいにしっくりと来た。そのまま思わず、抱き着くように力をこめる。
「隆義 さん、可愛いです。本当、困るって……」
「あっ……」
二度目はお互いに笑えるほど早く果てた。冷静になる暇もなく、再び彼に抱きしめられる。
背中に回したままの手に、私も思わず力が入った。
「シャワー借りていいですか? それから服も。本当にごめんなさい」
「いや……」
「一緒に入りましょう」
「……」
ごめんなさいと言いながらも、彼の声色には幸福感がのぞく。
私が何か言ってしまえば、それが壊れてしまうかもしれないと思うと、それ以上何も言葉を返すことができなかった。
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