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第9話 根腐れすると再生不可能。(胸糞注意)
「はぁ・・・。なんの間違いか解らないけど。僕は産みたくないです。」
「・・・、そうですか。そしたら、こちらにパートナーの方の同意を頂いて下さい。」
ユウタの態度に、苛立った様子を隠さない医師は、書類を手渡した。
「パートナー? なにそれ、僕が産まないって言ってんだから、それでいいじゃん。」
「いえ、それは出来ません。」
はぁ・・・。最悪。
なんで、僕が説教されなきゃいけない訳?
まぁいいや、適当にサインして貰えば良いか。
大体、真里くんばっかりズルいんだよ。
真里くんの3人目の婚約者が、居なくなって少しした頃、真里くんのお父さんが4人目の人「當麻さん」を連れてきた。
しかも、叔父さんは真里くんに新しい部屋まで用意していたし。
叔父さんに當麻さんを紹介された時、僕はびっくりしてしまった。
「真里夜、ユウタくん。こちら、當麻さん。」
「・・・初めまして。」
「宜しく。當麻さん?」
「ああ、初めまして。真里夜君、ユウタ君。これからよろしくね。」
スラっとした長身の彼は、今まで叔父さんが紹介してきた中で一番見た目が、ハイクラスだった。それに、どことなく雰囲気が静さんに似ている気がした。
・・・ホント、真里くんだけズルい。
だから、當麻さんと真里くんが新居を見に行くっていうから、僕も一緒に着いて行った。
だって、真里くんが住むなら僕も住んだって良い筈だしね。
それに、同じ会社なのに、営業の真里くんは仕事が忙しいって言って、當麻さんに家具とか全部丸投げだったから、僕が當麻さんと一緒に真里くんの為に、ベットも選んであげたんだ。
寝心地も凄い良かったし、背の高い當麻さんと一緒に寝ても十分広くて大きなベットは、色々な恰好でエッチも出来て気に入ったから。
真里くんが帰って来てもたまには使わせて貰おうと思ったのに、真里くんてば、長期出張から帰ってきた日に、ベットに寝る事なく鍵を置いて出て行っちゃた。
変なの。
いつもなら、其の場でその人にお別れ言うのに。
なにも言わずに出て行くから、當麻さんも僕に、真里くんが帰ってくる迄一緒にいてって言うんだよ?
當麻さんって、見た目は凄いカッコイイのに僕が何処か行こうとすると、着いてくるし。連絡も少し遅れると、怒られるし。僕は、真里くんの代わりに仕方なく、相手してるだけなのに。
それに、エッチも朝まで何度も何度もするから、朝起きれなくて会社にも行けないし。
僕、会社でお姫様扱いされてるんだよ?
その僕が、会社に行かないとか、みんなが寂しい思いしちゃうじゃんね。
それに、僕は真里くんと違って、妊娠したいなんてこれっぽちも思ってない。
なんで、僕が痛い思いしなきゃいけないんだよ。
僕は気持ちいい事が好きなのに。
そんな僕が、妊娠薬なんか飲む訳が無いのに。
なんで、妊娠してるんだろ?
あー、意味わかんない。
さっさと、同意書にサイン貰わないと・・・。
僕は、子供なんか欲しくないのに。
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