42 / 132
第42話
「ルームウェア……? 嬉しい。ありがと」
「うん。それ着てゆっくり休んでね」
「……あのさ、もしかしてお揃い?」
「へ? ぇ、いや、お揃いじゃないよ」
佑里斗が普段着ているようなデザインだったので、もしやお揃いでは? と琉生は少し期待したのだが、どうやら違ったらしい。
それでもプレゼントを貰えたのは嬉しくて、自然と微笑んでいた。
「ありがとう。大切にする」
「うん。絶対着てね!」
ふわふわと、温かい時間が心地いい。
琉生はもう少しこうして佑里斗と話していたかった。
それはどうやら彼も同じみたいだ。
モジモジして彼は琉生をチラりと見ると目が合って、えへへと笑う。
「先輩、お風呂入らない?」
「……まだもうちょっと話したい、かも」
「……俺も。じゃあ、えっと……ちょっと休憩ということで」
佑里斗はそう言って琉生の向かいに座る。
そんな彼を琉生は穏やかな表情で見た。
「プレゼントは嬉しいけど、俺がしたくてしただけだから、本当にあまり気負わないでくれ」
「俺もしたくてしただけだから、先輩も気負わないでね」
「……真似すんなよ」
「真似じゃないし」
ふたり、クスクスと笑い合う。
そんな柔らかい雰囲気の中、琉生がポツリと呟いた。
「──恋人がいたら、こんな感覚なんだろうな」
途端佑里斗の表情がピシリと固まり、琉生は『しまった』と視線を下げた。
ともだちにシェアしよう!