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第48話
さて、恋人になってからも一緒に登下校をすることのない二人。それでもお昼ご飯は時間が合えばどこかにランチに行くこともあったし、大学の帰りにたまたま寄ったスーパーでばったり会えばその時は二人で帰ることもしばしば。
「佑里斗と美澄先輩ってさ、どこで出会ったの?」
空きコマで暇な時間を智と過ごしていた時、ふと思い出したかのように彼がそう聞いてきた。
「普通に、大学でだけど……」
「え、じゃあまだ出会って一年経って無い?」
「うん」
「まじか。もうずっと前から知り合いだと思ってた。よく話してるし仲良さげだからさ」
「ああ。俺が体調悪くて倒れちゃった時に助けてくれたんだ。それから気にかけてくれてる」
佑里斗は事実を話して若干胸をドキドキさせていた。
いつか付き合っていることがバレるんじゃないかと少し不安なのである。
やっぱり大学ではあんまり関わらない方がいいのかなと薄ら思えてきた。
「美澄先輩優しいもんなぁ。見た目は怖い感じだけど、勉強教えてくれるし、面倒見がいいというか……。それにあの人ってアルファなんだろ?」
「えっと……そうみたいだね」
「顔は良いし、頭も良いし、面倒見も良いって……最高のアルファだよなぁ。多分あの人番いるぜ」
「はは……」
佑里斗は曖昧に笑うしかない。
もともと性別に関する話題が得意では無いので、そういう話題が出た時は一歩下がって静観するのが一番楽。
「てか佑里斗は?」
「え?」
「頭良いし、美人だし」
「えっと……?」
「もしかして佑里斗もアルファ? だから美澄先輩と気が合うとか?」
思わず口角を引き攣らせる。
まさかの勘違いにすぐさまそれを否定した。
「俺なんかがアルファなわけないよ。そもそも今の時代に第二の性をド直球で聞くのはマナー違反だよ」
「あー、そうだよなぁ。ごめんごめん」
謝る彼に佑里斗は苦笑して、残り三十分ある暇な時間をぼんやりして過ごした。
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