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第103話
一方佑里斗もお風呂を洗っている途中で昨日のことを思い出し、少しムラムラしてしまっていた。
ここでいっぱいキスをして、我慢できなくなってベッドに移って。
「……俺、あんな姿見せちゃったけど引かれてない、よね……?」
今更そんなことを思い不安に感じながらお風呂を洗い終えると、洗濯物を取り込みにベランダに向かう。
悩みながら洗濯物を取り込み、畳んでそれぞれの場所に持っていく。
そして最後に琉生の部屋に入り、クローゼットに仕舞おうとしてドアを開けると、突然袋がガサッと上から落ちてきた。
驚いて居るうちにコロコロ袋の中から出てきたのはローションで。
「……お、ぉ……」
チラッと中を見るとコンドームも入っていて、『見てはいけないものを見たかもしれない!』と、ドキドキしながらそれを中に戻しクローゼットの上の方に押し込んだ。
けれど見てしまったソレの事を黙っておくことができなかった。
バタバタとキッチンの方に走り、琉生に後ろから抱きつく。心臓はうるさく鳴っていた。
「え、何、どしたの」
「……琉生」
「ん?」
「……ゴムとローション見ちゃった」
「え゛っ」
琉生はまさかの言葉に固まり、視線を忙しなく動かすと観念したように息を吐いて振り返る。
「……昨日の続き、したくて」
「うん」
「買ってきた。……お前が嫌ならやめとくけど……どう?」
彼の優しい問いかけに、ポッと胸が温かくなってコクっと頷く。
「俺もしたい」
「……はぁ。よかった……。がっつき過ぎだと思われるかもって不安だった」
佑里斗は背伸びをしてチュッと琉生にキスをした。そうすれば腰に腕が回されて体を支えられる。
「お前が俺と同じ気持ちでいてくれて嬉しい」
「ふふ」
琉生は少し顔を赤らめると照れくさそうにそう言った。
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