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第107話
──何回も中でイッてる。可愛い。
琉生は気持ちよくて泣いている佑里斗を見れたのが嬉しくて、背中を屈めそっと唇を重ねる。
「ん、んく……っふ、ぁ、りゅ、せぇ……」
「ん?」
「はぁ……琉生も、気持ちいい……? 俺だけじゃ、ない……?」
佑里斗の言葉に胸をキュンとさせ、彼を抱きしめる。
しっとりした肌が心地いい。
「気持ちいいよ」
「ぁ……よ、かったぁ」
「……可愛い」
「ん、気持ちいぃ……っ」
「……まだ頑張れる?」
そう聞かれた佑里斗は少し口角を上げて「うん」と返事をする。
琉生はまだ一度も出せていないはず。
それなのに自分が無理していないかと聞いてくれるなんて思っていなかったのだ。
「琉生の、好きに動いて……」
「えっ……」
「気持ちよく、なってほしいから」
佑里斗のその言葉に我慢ができなくなった琉生は、優しくキスをするとまた律動を再開した。
■
うつ伏せの状態でビクビク痙攣する彼から、ゆっくりペニスを引き抜く。
外したゴムの口を縛るとゴミ箱に捨て、佑里斗の隣に寝転んだ。
息を整えるのに少し時間を取って、未だ震える彼を抱きしめる。
「ごめん、やりすぎた……」
「はぁ……」
「大丈夫? 水飲む?」
「……のむ」
佑里斗はというと、初めてこんな風になるまで抱かれたので、体が思うように動かせず、そしてまだ中に琉生がいるような感覚がするので動けなかった。
「体起こせる?」
「っあ……!」
そんなこととはつゆ知らず、琉生はトントンと佑里斗の腰を撫でる。
すると驚くことに佑里斗はそれだけで甘く達してしまい、ベッドに顔を埋めて腰を跳ねさせた。
「あ……ごめ……」
「……琉生の、エッチ……はげし」
「……ごめん」
「……でも、すごく、好き」
「え、ぁ……おぉ……嬉しい……」
優しく、けれど追い詰められるような快感があまりにも気持ちよくて、虜になりそう。
二人はぴったりとくっつきながら、チュッチュ、と何度もキスを繰り返したのだった。
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