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第124話

「ま、まって、」 「ごめん、待てない」 「ぅ……」  発情期には波がある。  少し熱の落ち着いた佑里斗はちょっとだけでも休みたかったのだけれど、琉生はそうではなかったようで。  熟れた後孔にペニスが挿入される。 「っは、ぁ……」 「佑里斗、好き」 「ふ……俺も」 「愛してる」 「っ……ふふ」  抱き締められ唇が重なる。  舌を絡めながらゆったりと律動されると、頭が蕩けてしまいそうだ。 「ふ、ぅ……む……」 「は……」  琉生の表情は今まで見た事のないくらいに切羽詰まっていて、肌を撫でる手は酷く熱い。    何度も求められ、繰り返し絶頂した佑里斗は、いよいよ意識を保っていられなくなり、大きな快感に襲われるとフッと意識を飛ばした。 □  発情期も終盤に差し掛かった。  毎日ほとんどの時間行為に及んでいた二人。  琉生に抱きしめられたまま眠っていた佑里斗はふと目を覚ました。  シャワーを浴びたくなって、ヨイショと起き上がろうとすれば、琉生もカッと目を開けて慌てて起き上がり、番となった佑里斗の背中を支える。 「何、どうした。トイレ?」 「んーん、お風呂。シャワー、浴びたくなった」 「ならちゃんと湯船に浸かろう。お湯張ってくるからもうちょっと我慢して」 「え……いいのに」 「良くない」  ベッドから出た琉生は下着を履くと、寝室から出て行って暫くすると戻ってきた。  その手には飲み物があって、それを手渡された佑里斗は「ありがとう」と言ってゴクゴクと飲んだ。   「体は辛くない?」 「うん」 「項は……? 痛くない?」 「大丈夫だよ。ありがとう」  番になった証。それを琉生の手が撫でる。  まるで壊れ物を扱うかのように優しい手つきで、佑里斗はクスクスと小さく笑う。 「なんだよ」 「ううん。番になれて嬉しい」  甘えるように彼に凭れると、柔らかく微笑んだ彼に頭を撫でられる。  佑里斗はうっとりして、撫でてくれたその手を取りキュッと強く握った。

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