125 / 132

第125話

 お風呂が沸くと、琉生は心配だからと言って佑里斗と一緒に浴室に行く。  髪も体も丁寧に洗われ、スッキリした佑里斗は湯船に浸かり後ろに座る琉生に凭れてフゥ、と息を吐いた。 「眠い?」 「ちょっとだけ」  お腹に回された手を撫でた佑里斗は、顔だけ振り返るとそっと琉生にキスをする。 「たくさん気遣ってくれてありがとう」 「いや、」 「疲れたでしょ。お風呂上がったら、あとは自分でできるから琉生も休んでね」 「俺にさせて」  ギューッと強く抱きしめられ、肩に彼の額が乗せられる。 「全部したいから、させて」 「えぇ……? でも俺、動けるよ」 「最後までちゃんと全部やりたい。なんか、やってあげたくなるというか……」 「……アルファの本能みたいなものなのかな?」 「わかんねえけど」  まあ、動けるとはいえ連日の行為で足腰が辛いのは否めないので、それじゃあお願いしようかなと、佑里斗は彼の好意を素直に受け入れることにした。 「疲れたら休んでね」 「うん」 「後で一緒にお昼寝しよう」 「いいな」 「あ、でも先にお布団干さなきゃ」 「そうだ、大きいベッドも探さないと」  そんな会話をしているうちに体はポカポカになって、二人はザバっと湯船から出た。

ともだちにシェアしよう!