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第128話
「今週と来週は準備とシフトのことで難しいんだけど、その他でお母さんの都合のいい日があれば、俺が合わせるようにします」
「わかった、聞いとく」
「お願いします」
ふぅ、とひとつ息を吐く。
まだ先のことなのに緊張してソワソワしてしまう。
「琉生のお母さんはどんな人?」
「どんな……? 普通の人だと思うけど」
「そっか。……どうしよ、ドキドキしちゃう」
「うん、心臓ドキドキしてる。でもまだ先だし、大丈夫だよ」
顔を上げた彼はそう言うと「風呂入ろかな」と立ち上がった。
「あ、お腹は空いてない?」
「うん。風呂入ったら俺もすぐに寝るから、先寝てて」
「ドライヤーしてあげるよ」
「えー、すげえ魅力的な提案だけど、今日は自分でやるよ。先に休んでな」
優しく頭を撫でられた佑里斗は、少しだけションボリして「わかった」と返事をする。
実を言うとドキドキしてる心臓を落ち着けたかったので、しばらく彼の傍にいたかったのだけれど。
まあ寝る時は一緒だしいいかと、琉生が浴室に行ったのを確認してから、彼の部屋に入り大きなベッドに寝転がる。
大の字になって天井を眺め、心を沈めるように深呼吸を繰り返した。
そうすると自然と眠たくなってきて、段々瞼が落ちてくる。
我慢できずに目を閉じると、あっという間に眠りに落ちていた。
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