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第130話

 翌朝、目が覚めた佑里斗はギョッとした。  なぜか琉生の頭を抱えるようにして眠っていたからである。  どうしてこうなったのか覚えていないし、想像も出来なくてそっと体を離す。  寝苦しくなかったかなとソワソワして、今更ゆっくり眠ってもらおうとベッドから降りようとしたのだが、お腹に回された腕にそれを止められた。 「わ……琉生、おはよう」 「おはよ……どこ行くの」 「朝の準備しに行こうと思ったんだけど……。ねえ、ごめんね。変な寝方させちゃって……体痛くない?」 「うん」  体を起こした琉生は目を擦って欠伸をこぼす。  ぐぐっと伸びをするとトロンとした目を佑里斗に向け、ほんのり口角をあげる。 「今日は? 家いる?」 「今日はバイトなんだよね」 「そっか。何時に終わる? 迎えに行こうか。買い物でも行く?」 「え!」 「え?」  夏休みに入ってからというもの、二人でどこかに出かけることは滅多になくて、琉生からのそのお誘いが嬉しい。 「行きたい、かも……いいの?」 「いいよ。どこ行きたい?」 「えっと……バイト終わるまでに考えとく」 「ん、」  ベッドから出た彼は、「顔洗ってくる」と寝室を出ていく。  佑里斗はウキウキしながら「俺も!」彼を追いかけるように寝室を出た。

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