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第18話 罪な人
「……結城さん……」
私は結城さんの前に膝詰めで座り、丸い目をして見上げる頬を包むと静かにその唇を塞いだ。細い肩がピクンと揺れる。
結城さんの手が胸を押し返そうとしたが、細やかな抵抗が余計に私の欲望を煽った。その華奢な体を抱きしめ囲い、畳の上にゆっくり押し倒す。触れただけの唇をそっと離し見下ろすと、結城さんは少しだけ怯えた表情をしていた。
「……高山さん?」
「好きです」
「……え?」
「あなたは罪な人だ」
突然の言葉が理解できないのだろう。目を丸めるばかりで結城さんの口から言葉は出ない。男の恋人がいるとはとても思えない動揺ぶりだ。無垢な少年のように瞳をうるうると揺らす。しかし、反応は激しかった。敏感なのか、どこを触っても困ったような声を上げ、うろたえ、ビクビクと震え、小さく息を漏らす。私にそっちの経験は無かったが、因果なもので知識だけは豊富だった。資料として置いてあるローションを引き出しから取り、結城さんの秘部を解し濡らした。
「あっ……そんな、そんな」
小さく身を縮め、震えながら耐える結城さんの姿は煽情的だった。下半身がいよいよ耐えきれないほど張り詰めていく。早く入りたい。私は己のモノを握り、ヒクヒク蠢く入口に先を引っ掛け囁いた。
「大事にしますから……」
「大事にって……あああっ」
結城さんは白い喉元を晒し、大きく空気を吸った。とろとろに溶けた部分は柔らかに私を包み込む。あまりの気持ちよさにすぐに果ててしまいそうだ。甘やかな吐息とか細い悲鳴を漏らしながら結城さんの腕が首に巻き付き、必死に縋る。その仕草はさらに私を興奮させた。もう抵抗らしい抵抗も見せない。ギュウッと瞑った結城さんの目尻から、一筋の涙が零れた。
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