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龍臣出発の日

玄関にはいかつい男たちが集まり、龍臣を囲んで龍臣に向かって頭を下げていた。 「若っ行ってらっしゃいませ」 「どうかご無事で。屋敷は俺たちが守ります」 「ああ。てめーら、あずさに手ぇ出すんじゃねーぞ?出しやがったら…分かってるだろうな」 「うっす。肝に銘じます。あずささんは若に変わってお守りするんで安心して総会に行かれてください」 「承知。誠哉、ママに行ってきますは?」 「あ、うっう~」 「誠哉くん、行ってらっしゃい」 「あずさ、俺には?」 「う、うん。龍臣さん行ってらっしゃい」 「ドライだなぁ、あずさ。ママなら行ってらっしゃいのキスぐらいしてくれてもいいんじゃねーの?」 「…っ!」 あずさは顔を真っ赤にしながら龍臣の頬に唇を付けた あ…いい匂い……くやしいけどこの匂い、好きだ 本能がそう言ってる。 そう考えると、下半身が反応しそうな気がして龍臣に悟られないよう慌てて龍臣の体を押し 「はい、もう行ってらっしゃい」 「あ?つれねーな。もっと別れを惜しむとかさ…」 「若、新幹線の時間が…」 「ああ、そうか。なら仕方ねー分かった」 あずさは閉まる扉を眺め、龍臣の出発を見送った。 龍臣がいなくなると散り散りにいなくなる男衆たち… ひとりぼっちだ… なんだろう… ここにきて約3ヶ月…常に誠哉くんか龍臣さんがいたから違和感が… 「早く帰ってきてほしいな。寂しいよ」 見送ったばかりなのにあずさは寂しくなり、龍臣の部屋へとフラフラと歩いていった

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