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制止剤投与拒否!オレ、入院するっ
大事な受験時期に急な発情期到来とか、旅行予定なのに発情期到来…と言った場合に使う薬だと説明を受けるが頭に入ってこない。
もう痛いのはやだ。
ナカに挿れるって言ったよね?さっき。
普段使ってる抑制剤は内服だけどなんで挿入?
「い、いやです。飲む薬にしてください」
「うん、飲むタイプもあるけどここまで強いヒートだと効かないかな」
「じゃ…じゃあ、苦手だけど…注射でも…」
「注射かぁ…それは発情期が来る少し前におしりのお肉に打つやつは当院にあるけど発情期中のはまた別で当院は不採用だから、いまはちょっと違うかな」
「無いの?注射の抑制剤」
「うん」
「じゃあ首に貼るやつ」
「それはあるけど効き目が弱い」
「うーっ」
「威嚇してもダメです。どうしてもいやなら2日間入院しますか?」
「え?」
「と、いっても産科棟ですからツワリ中の子だったり、陣痛真っ最中から出産中までいろいろいて声が聞こえたりするのでちょっと怖いかもしれませんよ?」
「入院する!!」
「だ、そうですが…蒼炎さんどうされます?」
「αやβからあずさを守れればやり方は問わない」
「じゃあ、入院手続きとっちゃいますよ?」
「任せる」
「分かりました」
樹医師は診察台を椅子の形に戻すと、机へと歩いていき、電話をとるとどこかへ電話をかけ始めた
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病棟からの迎えの看護師が来ると蒼炎はあずさの頭に手を置き
「龍臣には伝えておくからな、あずさ」
「う、うん」
「どうした?怖気づいたか?」
「だ、だって…入院したことないもん」
「そうか。じゃあ、ちょっと不安だな。まあ、樹や看護師の言うことを聞いていれば問題ない。明後日迎えにくる」
「はい」
蒼炎の手が離れるとあずさは椅子から立ち上がり看護師と樹医師に付いて病棟へと向かった。
「紅葉 、さっき、入院した子はどうです?」
「進展が悪いです。ばっちりいい陣痛はきているんですけど赤ちゃんの出口の孔の拡がりがまだまだです」
「そう。それは昼までかかりそうですね」
「はい。ちょっとだいぶ心が折れちゃっている感じですね。旦那さんが励ましてますけど…」
「了解。ちょっと先に行って顔を出してきますね。あずさくんをお願いします」
「こちらこそお願いします」
樹医師が早歩きで病棟の奥へと消えると、紅葉はあずさを病室へと案内した。
途中、廊下に身長計と体重計が一体化した機械があらわれ
「あずさくん、まずこちらで体重と身長を測りましょう」
「え?なんで…」
「入院時の決まりだからごめんね?」
「分かった」
あずさは言われた通り計測器に乗り、まわりを見渡した。
「何人くらいいるの?」
「うちは医院だから少ないよ。隣の棟は怖いお兄さんたちが怪我したり病気したりした時に入院する棟で10床ベッドがあって、こっちの産科棟は6床ね」
「10.10じゃないんだ?」
「それだと医院じゃなく病院になっちゃうからね。測定終了。あずさくん、体重軽いなぁ。少し体重増やさないといざという時、陣痛乗り切れないよ?」
「う…怖い」
「大丈夫大丈夫」
測定が終わり廊下を歩き出すと紅葉は話しを続けた
「いきなり出産するわけじゃなく、10ヶ月お腹の中で大事に育ててからだから心の準備も整うよ」
「ふーん…まだそんな予定はないけど、、えっちできなくなっちゃうのはやだな。まだ覚えたばかりだからもう少し龍臣さんとしたい」
「えっち、妊娠中でもできますよ?」
「え?」
「激しいのは危険だけど、ゆったりと楽しむ分には禁止していないですから。むしろしてください。パパママが仲良しなのはいいことですから。はい、お部屋はここね」
「はい」
あずさは案内された全体的にピンク色の部屋のベッドの隅に居心地悪そうに座った
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