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蒼炎と青葉
蒼炎と青葉の出会いは25年前に遡 る。
蒼炎、20歳。青葉18歳。
青葉は竜胆 組の傘下、松原 組の末子として産まれたが、他の兄弟や親戚一同の第2の性がαであるにも関わらず青葉だけがΩの性をもって産まれた。
少しばかり発育も悪く、頭のできも他にひけをとり、運動神経も並以下に成長した青葉は、将来困らないようにと遊ぶ間も無く家庭教師や塾、習い事と分刻みのがんじがらめの生活を余儀なくされていた。
そんな折に食事会で2人は出会った。
小さな体躯 に、可愛らしい猫目。唇はぷっくりと膨らみまるで少女のような見た目の青葉はその日、久々の自由を満喫していた。
蒼炎が青葉に恋に落ちるのはまさに一瞬だった。
いわゆる一目惚れ、、というやつだ。
目が奪われ、心臓が高鳴り本能が告げる。
運命の相手だと。
蒼炎は20歳になり、跡継ぎについて両親から熱烈に説明を受けていたが、正直結婚に乗り気ではなかった。
しかし、青葉を見た瞬間に蒼炎の血は沸きあがりひどく興奮を覚えた
この子が欲しい…首を噛みたい、、
俺の番だ…
蒼炎は食事そっちぬけで庭に転がって遊ぶ青葉に目が釘付けになり、青葉の目の前に立つと開口一番
「俺の番になってほしい」
と、青葉に告げた。
青葉もまた、蒼炎と同じようにドキドキと胸が高鳴り、心に感じるものがあった
が、青葉はすぐにはいい返事をしなかった
「僕は自由が欲しいの。蒼炎さん、あなたのことに興味が無いと言ったら嘘になるし、運命は感じる。あなたになら僕のはじめてを捧げたい。
でも、番になんてなったら一生あなたの横にはべっていなければならない。そんな窮屈な生活は僕は嫌です」
自由を求める青葉に蒼炎は跡継ぎを産み、その子が小学校にあがるまでは側にいること。また、それ以降は平日は自由にしていいが子のために週末は屋敷へ戻ることを条件に青葉に自由を約束した。
松原組は竜胆組なら将来に心配は無いと安心し、すぐに竜胆組に青葉を差し出した。
竜胆組も結婚に乗り気じゃなかった蒼炎が青葉に夢中になり、結婚を考えだしたのを喜び2人の交際と婚姻をすぐに許可した。
それから、時を開けずに2人はすぐに番となり婚姻関係を結んだ。
第一印象から運命を感じあった2人は毎夜のように愛を語り、子を授かるのもあっという間だった。
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