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第8話:ルテとフィー2⭐︎

フィーこと、フィガロはさっき、自身の身に起きた事を受け止めきれていなかった。 し、信じられない・・・。 あの男。あんな・・・あんな・・・!!!! 両手で頭を抱えてしまう。 さっき、フィーが出したのは、排泄は排泄でも所謂、糞尿とは違うモノだった。 獣人は、性に関して奔放な種も居るが、黒猫のフィガロは常にその手の目に晒されていた所為か、成獣と成っても自慰すらする事が無かった。 それが、獣化していたとはいえ、無抵抗のまま好きにさせてしまった事に、ショックを受けていた。 ど、どうしよう・・・。このまま、獣化したままで大丈夫か? キョロキョロと、周りを見渡すと簡素ながらもしっかりとした暮らしをしているが伝わってきた。台所には、二口コンロにスパイスの棚。 ミルクを温めてくれた鍋の他にも、何種類かあった鍋。 それに、箱に敷いてくれた毛布は、石鹸と太陽の匂いがしている。 多分、悪い奴じゃないんだろうけど・・・。 うーーーーー。 思い出しては、また頭を抱える。 ガタッ! 「かっ・・・。」 ん?か? 振り向くと、上裸で天を仰いでる男が居た。 思わず、その身体に目が行ってしまう。 鍛え上げられた筋肉には、所々傷跡が有った。 そうだ、この男。あの時、魔獣を退治してたっけ・・・。 箱の中で、モゾモゾと動いて納まりの様にすると、フィガロは丸くなりながら毛繕いを始めた。 ペロペロ くぁっ・・・。 眠い。とりあえず、今は・・・、眠い。 くぅくぅ・・。 いつの間にか、熟睡していたフィガロだったが、夜中に目が覚めてしまった。 んぅ・・・、さむっ。 ぴょんと、箱から出て獣化を解く。 スラリとした両手足に、染み一つないスラリとした裸体に箱の中に敷いてた毛布を巻きつけ、台所の脇を抜けトイレへと向かう。 ちゃり・・。 首から下げていた革袋を、外し中身を確認する。減っても増えてもいない中身に、 ホッと一息ついて出 れば、奥の部屋から暖かな気配を感じ、フィガロは引き寄せられていた。 そろりと近寄れば、大きなベット。その布団から出ていた、耳がピクっと動くが、起きてくる気配は無かった。フィガロは、すっぽりと布団を被って寝ている男の顔を覗き込んだ。 うわぁ・・・。まつ毛も銀色だ。 自分とは違い、色の無い毛並み。白とも違う。 「んん・・・フィー?」 やば!! 「どーした? ほら、入っておいで。」 寝ぼけているのか、掛布団を少し開けてフィガロに声を掛けるが、そのまま眠ってしまう。 ・・・吃驚した。 ぴょんと、男のベットの上に登ると、隠れていた喉元が見える。そこには、魅惑の隙間があった。 暖かそう。 ・・・さっき、入って良いって言ったよな? ・・・ちょっとだけなら・・・。 箱に入っていた毛布も暖かかったが、フィガロの体温だけじゃ少し肌寒かった。 それに、良いと言われたなら、怒られる事は無いよな・・・? そう思った時には、フィガロは隙間に納まっていた。 ゴロゴロ・・・ すりすりと、身体をすり寄せると自分とは別の心音が聞こえる。 ・・・暖かい。ふかふか。気持ちいぃ。このまま、でもいいなぁ。

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