30 / 77

第30話:フィーとボルテ⭐︎

「ぅう“う“・・・んん」 うなされるボルテの額に、濡らした布巾を乗せ、腕の包帯を取り替える。 冷んやり冷えていた身体は、今は沸騰した湯の様に熱く、乗せた布巾もすぐに温くなっていく。 フィガロは部屋の裏手に周り、積みあがった雪を桶に入れ布巾を冷やしては、ボルテの首元を拭った。 「・・・ん・・ん。」 冷たさが気持ちいいのか、ボルテの眉間に寄った皺が薄くなる。 「んー、このまま身体も拭いてあげるか。」 ボルテの寝巻きの前を開けると、むわっとした熱気を感じる。 「うわッ! あっつ。」 拭ったそばから、ボルテの身体をうっすらと汗が伝う。 丁寧に汗を拭いていく。 「こ、ここも拭かないとだよなぁ・・・。」 上半身を拭き終え、下半身に手を伸ばす。 拭いていると、生理現象で反応し始める。 「・・・ど、どうしよう。」 「う・・・うぅん・・。」 苦しそうな吐息を漏らすボルテに、フィガロの手が伸びる。 こ、これは処置だから・・・!! 雪で、冷えたフィガロの手が、熱を持ったボルテの陰茎を優しく握り込む。 ゆっくりと上下に刺激すると、ボルテの呼吸も少しずつ熱く早くなってく。 「んっ・・・あっ・・・。」 どんどんと水気を増し、熱く硬くなっていく。 「うわ・・・。」 片手に収まらなくなった、ボルテ自身をフィガロは両手で刺激していく。 先端部分に、フィガロの指先が引っかかった刺激が引き金になったのか、強く脈打ったそれは、フィガロの手の中に熱い精を放った。 「うぁ・・・。すごっ・・・。」 そのまま、布巾で手を拭い。ボルテの身体も綺麗に拭き整えると、身体の熱が落ち着いたのか、眉間の皺が取れていた。 ボルテの枕元に持ってきた椅子に、座ってボルテの様子を眺める。 ラビに面倒を見るように言われて、今日で3日。 腕の傷は、塞がりつつあり。今は、もう傷口からの出血は止まっていた。 けれど、ボルテが起きる気配は無かった。 それどころか、冷えていた身体が徐々に熱をもち、一度精を吐き出すと、また身体は冷える。 そのまま放っておけば、高熱にうなされていた。 この3日、ラビが様子をみにきてくれたが、ボルテが目を覚ます事は無かった。 「今日も、まだ目を覚さないのか・・・。」 「・・はい。」 「まぁ、お前も無理はするな。中央の奴が、医者を送ってくれるらしいから・・・。それまで、ボルテの様子を見てやってくれ。」 「・・・中央ですか?」 「あぁ、ボルテの・・・っと、ボルテが起きた時に、そのあたりは聞いてくれ。」 ナミからの差し入れをフィガロに手渡すと、ラビは帰っていった。 手渡されたバスケットの中身は、まだ暖かかった。 「・・・ルテ、君が起きてくれないと僕は寂しいよ。」 獣化したフィガロは、ボルテの側に擦り寄りゴロゴロとフィガロが喉を鳴らしながら、ボルテの鼻先に自分の鼻をくっつける。 ルテ、早く目を覚まして。 ゴロゴロゴロゴロ・・・

ともだちにシェアしよう!