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第30話:フィーとボルテ⭐︎
「ぅう“う“・・・んん」
うなされるボルテの額に、濡らした布巾を乗せ、腕の包帯を取り替える。
冷んやり冷えていた身体は、今は沸騰した湯の様に熱く、乗せた布巾もすぐに温くなっていく。
フィガロは部屋の裏手に周り、積みあがった雪を桶に入れ布巾を冷やしては、ボルテの首元を拭った。
「・・・ん・・ん。」
冷たさが気持ちいいのか、ボルテの眉間に寄った皺が薄くなる。
「んー、このまま身体も拭いてあげるか。」
ボルテの寝巻きの前を開けると、むわっとした熱気を感じる。
「うわッ! あっつ。」
拭ったそばから、ボルテの身体をうっすらと汗が伝う。
丁寧に汗を拭いていく。
「こ、ここも拭かないとだよなぁ・・・。」
上半身を拭き終え、下半身に手を伸ばす。
拭いていると、生理現象で反応し始める。
「・・・ど、どうしよう。」
「う・・・うぅん・・。」
苦しそうな吐息を漏らすボルテに、フィガロの手が伸びる。
こ、これは処置だから・・・!!
雪で、冷えたフィガロの手が、熱を持ったボルテの陰茎を優しく握り込む。
ゆっくりと上下に刺激すると、ボルテの呼吸も少しずつ熱く早くなってく。
「んっ・・・あっ・・・。」
どんどんと水気を増し、熱く硬くなっていく。
「うわ・・・。」
片手に収まらなくなった、ボルテ自身をフィガロは両手で刺激していく。
先端部分に、フィガロの指先が引っかかった刺激が引き金になったのか、強く脈打ったそれは、フィガロの手の中に熱い精を放った。
「うぁ・・・。すごっ・・・。」
そのまま、布巾で手を拭い。ボルテの身体も綺麗に拭き整えると、身体の熱が落ち着いたのか、眉間の皺が取れていた。
ボルテの枕元に持ってきた椅子に、座ってボルテの様子を眺める。
ラビに面倒を見るように言われて、今日で3日。
腕の傷は、塞がりつつあり。今は、もう傷口からの出血は止まっていた。
けれど、ボルテが起きる気配は無かった。
それどころか、冷えていた身体が徐々に熱をもち、一度精を吐き出すと、また身体は冷える。
そのまま放っておけば、高熱にうなされていた。
この3日、ラビが様子をみにきてくれたが、ボルテが目を覚ます事は無かった。
「今日も、まだ目を覚さないのか・・・。」
「・・はい。」
「まぁ、お前も無理はするな。中央の奴が、医者を送ってくれるらしいから・・・。それまで、ボルテの様子を見てやってくれ。」
「・・・中央ですか?」
「あぁ、ボルテの・・・っと、ボルテが起きた時に、そのあたりは聞いてくれ。」
ナミからの差し入れをフィガロに手渡すと、ラビは帰っていった。
手渡されたバスケットの中身は、まだ暖かかった。
「・・・ルテ、君が起きてくれないと僕は寂しいよ。」
獣化したフィガロは、ボルテの側に擦り寄りゴロゴロとフィガロが喉を鳴らしながら、ボルテの鼻先に自分の鼻をくっつける。
ルテ、早く目を覚まして。
ゴロゴロゴロゴロ・・・
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