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第49話:兎まい亭で・・・

「る、て・・・・ボルテ!!!おい!!」 「!!」 パンっと軽く頬を叩かれ、目が覚めたボルテは兎まい亭の椅子に寝かされていた。 「フォックス副隊長と・・・グリズ隊長!!!???」 「オイ! 一体何があった。」 「・・・ボルテ、お前はなぜここに来た?」 フォックスの後で、グリズが腕を組みながらボルテを見る。 「た、隊長が、緊急招集で迎えに・・・」 「えっ? ボルテ、それはおかしいぞ!グリズ隊長は、さっき中央から戻られたばかりだぞ・・・。」 「ですが、今朝ウチに・・・。」 混乱するボルテに、グリズが尋ねた。 「・・ボルテ、お前は何を見た?」 「何をですか?」 「あの者達からの報告だと、あの日警備隊で保護した獣人を正しく記憶している者はおらず、あの部屋に焚かれていた香には、幻影魔獣の毒が微量ながら含まれていた。・・・ボルテ、あの日お前は、何を見た?」 「何をって・・・、あの獣人の姿の事ですか?けれど、それは私の記憶の中にある幻影って事ですよね?」 「ああ、そうだな。幻影魔獣の毒は、見る者の記憶の中に残る姿を写しだすと言われている・・。だから、ラビがナミに似た姿をしたアレに油断してしまったのだろう・・・。だが、ボルテ・・。お前は、誰を見た?」 「誰・・・と言われても・・・。私が見たのは、黒髪に金眼のフィーの姿だと・・・。」 「・・・フィー? それは、お前が保護したあの黒い塊か?」 「はい。あの・・・・、フィーなんですが・・・多分、フィーは獣化した獣人だと・・・。」 「獣人だと?」 「はい・・・。」 「その獣人の姿はどんなだ?」 「姿ですか・・・・?」 「ああ、獣化したというなら、獣化する前の姿も見たんだろ?」 「いえ、見てません。」 「「・・・・。」」 キッパリと言い切ったボルテに、グリズとフォックスの顔が固まる。 先に、動いたのはフォックスだった。 「いや、ボルテ!ならなんで、獣化してるって思うんだよ!」 「フィーは言葉を話せるんで。」 「はぁ!?」 なぜか自分のことの様に誇らしげな顔をしたボルテに、グリズもフォックスも言葉を続けられなかった。そこに、サラがラビを連れて来たのだった。 「フィーって、フィーガお兄ちゃんの事?」 「ラビさん、起きて大丈夫なんですか!?」 「ああ。すまない。オレが異変に気がつければ良かったんだが・・・・。」 テーブル席から、イスを引きボルテの近くに腰をかけると、サラがボルテに近寄った。 「ボルテ副隊長さん、今日は、お兄ちゃんはお留守番なの?」 「・・・今日は?」 サラの言葉に、ボルテの耳がピクっと反応したが、サラはそのまま言葉を続けていった。 「うん。いつも、ランチタイムはお手伝いしてくれて、弟の事も助けてくれたの!だけど・・・今日は、まだ来てなくて・・・。」 「・・・。」 「・・・サラ、かぁさん達の所に戻ってなさい。」 ボルテの様子に、ラビはサラをナミ達のもとへ戻る様に促し、サラは名残惜しそうにしたがその言葉に従った。

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