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第68話:待機してました・・・☆
「・・・フィー?」
ジッと、ボルテを見つめるフィガロに、ボルテの方が先に声をかけていた。
ちゅっ。
「!?」
いつも隠れているおでこに、フィガロは気が付いたらキスをした。
びっくりして、見開かれたオッドアイが嬉しそうな形になったと思った時には、二人に唇は重なりあっていた。
「あ・・・つ、つい・・・ん・・・。」
「ふふ・・・フィーとずっとこうしたかった・・・んっ。」
ちゅっちゅっと軽く重ねた唇から、するりと中に入り込んだ舌はどっちが先だったか解らない位、
角度を変え、飲み込み切れない唾液が端からこぼれる。
「んっ・・・くしゅっ・・・。」
「・・あ・・・。ごめっ・・・フィー、お湯はいろう。」
すっかりと冷えた身体を、降ろすと、つぅーっと離れた唇を金眼が追う。
くしゃみをしてしまった事を残念に思いながらも、フィガロはボルテに向けて両手を伸ばした。
「えっ・・・と・・フィー?抱っこしていいの?」
「・・ぇ・・あ。」
ボルテは、フィガロが何か言う前に、残っていた泡を流して、フィガロを抱き抱え湯舟へと浸かった。
ざばぁぁっと溢れ出たお湯に、桶が流される。
「・・・ここで洗っちゃおうか。」
「え?」
ちゃぽんと音をたてて、石鹸が湯舟に落される。
じゃぷじゃぷとお湯を混ぜると、もこもこの泡が出来ていく。
「うぁ・・・すごい!!」
もこもこの泡を、ボルテの頭にフィガロが乗せると、ボルテも同じ様に乗せた。
そのまま、お互いの髪を洗い、ボルテの手がフィガロの背骨をなぞり黒く細いしっぽにも優しく泡を纏わせる。時折、しっぽの付け根を刺激され、フィガロの腰が揺れる。
「んっ・・・ルテ・・・それ、やぁ・・・。」
「なんで? フィー、ここ気持ちいでしょ?」
今まで、獣化した姿を洗ってきたボルテは、フィガロの気持ちよくなる場所はすべて把握していた。
「あと・・・ここも、綺麗にしないとね・・・。」
「えっ・・・あぁっ!!!」
ツプッと、ボルテの薬指がフィガロの中に入り込む。
その感覚に、フィガロの陰茎から精が放たれる。
「ん・・・フィー。いい子。」
くちゅくちゅと中を洗われ、気が付くとボルテの指は2本、3本と増えていった。
「あっ・・・あっ・・、ルテ・・・んっ・・・。」
目の前のボルテに両手を伸ばし、縋りつけばボルテ硬さを増した陰茎がフィガロの薄い腹に当たる。臍の穴に擦りつけるように、ボルテの腰が動く。
「ひゃん・・・ルテ!それ・・・だ、ダメ・・・」
「っつ・・ごめ・・・フィー。止まらな・・くっ!!」
ごりっと大きく擦りつけられ、フィガロの陰茎も一緒にこすり上げられる。どぷっと吐き出されたボルテの精に、フィガロも追うように精を放つ。
ぐったりとしたフィガロをボルテは抱きしめた。
「・・・フィー。フィーの中に入りたい。」
「・・・ん。・・・良いよ。」
それが、何を指しているのかもうお互い理解していた。
あの捉えられた館で、見た行為に驚き、無理やり身体を拓かれそうになった事に恐怖や嫌悪を感じたが、獣化していた頃を含めフィガロはボルテに対して、どこか安心感もあった。
綺麗なお湯で、お互いの身体を流し、これから行う行為に緊張しながら浴室からでて、目にした光景に、二人とも言葉を失った。
「「あ・・・」」
点々と寝室に続く泥の足跡に、無理やりボルテが入った窓は、片方外れていた。
さっきまで、興奮と期待で火照っていたフィガロの身体は、スンと冷静さを呼び戻した。
「・・・片さないとね。」
「・・・・そうだね。」
外れた窓のせいで、部屋の温度も暖かくなりきっておらず、ボルテは引き出しから予備の寝巻を取り出しフィガロに着せ、ボルテも服を着た。
「・・・あれ? そういえば・・・ルテの隊服は?」
「あー・・・・。そうだった・・・。」
部屋を片しながら、フィガロに言われて自分が獣化して帰ってきた事をボルテは思い出す。
「明日、隊に行く前に・・・、拾いに行かないとなぁ・・・。」
「えっ・・・。」
そうボルテが言うと、ガタンと窓の外に綺麗に畳まれた隊服等々が籠に入って置かれた。
「「・・・・・。」」
「ルテ・・・これって、ルテのだよね?」
「・・・そうだね。」
「親切な人が置いていったのかな?」
「・・・・かもね?」
ボルテが複雑そうな顔で、籠を中に入れたが、フィガロは不思議に思いつつも、嬉しくて笑みを浮かべていた。
「・・・フィー、嬉しそう。なんで?」
「・・・え? あ・・・だって・・・朝、ルテとご飯食べれる時間あるな・・・って思って。」
「!!」
手にしてた籠を落しながら、ボルテはフィガロを抱きしめた。
さっきまで力なくしょぼくれた尻尾がブンブンと降られる。
「そうだね!!明日は、ゆっくりとフィーと朝ごはん食べれるね!!!」
「えっ・・・ちょ・・・ルテ!? 声おっきいい!!」
「ごめんごめん。 ちょっと、嬉しくて、皆に聞かせたくなっちゃったのかも!」
「ふふ・・・なにそれ。ふぁ・・・ボクもう眠いかも・・・。ルテ・・・さっきの続きは、今度でも良い?」
「・・・っう、うん。そうだね・・・。今度、ゆっくり静かな所で・・・だね。」
ギュッとフィガロを抱きしめたまま、ボルテは窓の外の気配が無くなったのを確認し、部屋の明かりを消した。
ひぃぃぃ・・・・!!マジ怖い!!もーやだ!!ボルク様に言って配置変えてもらおう!!!
頭にうっすらと降り始めた雪を積もらせながら、小型犬獣人は自分の主のもとへと急いだ。
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