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第6話
淡いベージュ色のカーテンの隙間から光が零れる。
不意に目が覚め、隣にいるダイチを見る。
「...あれ?」
ダイチはいなかった。
「...洗面所、かな」
洗面所にもトイレにも浴室にもダイチはいない。
「先、行っちゃったか」
不意にドアがノックされ、開くとベースのコウだった。
「ユウ。おはよ。朝食だってよ。その後、リハ」
「あ、うん。ダイチももう行ってるの?」
「ダイチ?さあ?とりあえず、準備」
「あ、うん」
ダイチ、いないのか、何処行ったかな、...散歩、とか?
そう思いながら、支度をし、朝食が取れるバイキングへ向かう。
メンバーやスタッフと挨拶を交わしながら見渡せど、ダイチがいない。
あれこれと朝食を取り分けていると、入口にダイチが見えた。
「あ」
ダイチも気がついたようで、ユウに歩み寄って来た。
「何処、行ってたの?」
「あー、ちょっと。てか、美味そうだな。俺も皿、取ってこよ」
そう言うと、ダイチはユウの元を離れ、中央付近にある食器類の置かれたスペースへ向かっていた。
小首を傾げながら、ある程度、好きな料理を取り分け、空いた席に座る。
勿論、隣はダイチの為に取った上で。
料理を取り分けて来たダイチが笑顔で隣にやって来た。
「しっかり声出す為にもしっかり食えよ?」
「ダイチもね」
そうして朝食を終えた。
◆◆◆
いざ、早めに会場に入り、リハーサルとなると、惚れた腫れたなど忘れてしまう。
スピーカーやモニターなどのチェックや、細かいチェックの連続で慌ただしく過ぎていく。
それもこれも、ライブを楽しみにしてくれているファンの為。
ライブを成功させる為。失敗は許されない。
刻刻と時間は迫り、そろそろだ。
何度、ライブをやっても慣れない。
ユウだけではなく、メンバー、スタッフみんな同じのようだ。
そして。
暗幕な中、メンバーが1人ずつ、ステージへと上がると歓声が上がる。
ユウがステージに立った時がピークだった。
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