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第12話

ユウとダイチはシャワーを済ませ、浴衣でベッドに並び、俯けで寝そべった。 「どうしてるかなあ?光くんとコウ」 「どうって、やってんじゃね?」 「やってる、てそんな下世話な...」 「じゃ、なにして欲しいわけ」 んー、とユウが唸る。 「別に...仲良くやってるかなあ、て。それだけだよ」 にや、とダイチがユウを見た。 「仲良くヤってる、ねえ。ああ。やり方、教えときゃ良かったかな、コウに。男同士の」 ユウがダイチを睨む。 「すぐそんな話しに...でも、光くんがわかるからいいんじゃない」 「まあ、そっか」 不意に間が空いた。 「...ダイチもヤリまくったんだよね」 「...は?」 「だから。光くんと。ダイチもヤリまくったんだよね?」 「...なに、いきなり」 「あー、言いたくないんだ、そうだよね、あんだけ可愛くって、愛想も良くて、ヤリまくらない訳ないもんね」 はあ、とダイチが深い息を吐いた。 「なんなの、今更。...てか、俺はあいつとよりお前の方が断然、イイし。抱き具合、ていうか、声も何もかも、ユウの方がいいし」 ユウがかあ、と顔が熱くなるのを感じた。 「お、俺のがいい、て、な訳。そんなおべっかは要らないし」 「おべっかとか、そんなんじゃなくってさ。なんか、体の相性、ていうの?光とは合わないっていうか」 「....抜けない、みたいな?」 しん、と一瞬、空気が冷えた。 「抜けない、訳じゃないけど。なんか、あいつ声デカいし、あー、声が異様に高いのも。なんか、お前と比べてしまってた、ていうか?」 「お、俺と...?」 うん、とまだ酔った顔でダイチが頷く。 「...ていうかさ」 「ん?」 相変わらず、うつ伏せたまま、ダイチがユウを向く。 「その...あの子、知ってたの...?ダイチが...その、売り、してた事...」 「いや。あいつの性格だから、辞めて!て泣きつかれるか、辞めないなら自分も働く!て言いそうだし、バレないように?」 「ああ...なんか、真っ直ぐな子、て感じだもんね」 「そっか?」 「うん...」 「てかさ」 悪戯っ子のような笑みでダイチがユウを見る。 「明後日まで休みだし。どうする?」 「どうする、て?」 不意にその瞳とかち合った。 「この辺、ぶらっとする?土産、買うだとか」 「だね。あ、光くん、地元だし、光くん、詳しいよね」 「...お前、あんなに光の名前を出すと嫌ヅラしてた癖に」 「...なんか、そんな悪い子じゃないんだな、て気して...」 ダイチは正面を向き直り、少し表情を変えた。 別れたくない、と泣きつき、離れようとしなかった、あの日。 光が本気で泣いた夜を思い出していた。 ...ユウと出逢っていなかったなら、光とはどうなっていたんだろうか。 ユウには絶対に言えない、ダイチの思い...。

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