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第2話

「あー……っ!!」  今までになく、欲望を吐き出したのだろう。荒い息を吐きながら、急激に冷静さを取り戻して、自分の様子を確認する。いつの間にか、上掛けは剥ぎ取られて、体が晒されていた。そして、サツマイモ色をした触手が、全身を戒めている。  状況としては、触手に犯されているという状態だろうが、誰がコレを信じるモノか……。  どろりとした、精液で濡れた服が、肌に張り付いて気持ちが悪い。洗濯しなきゃ、と現実的なことを考えて居ると、触手が吐き出した精液に集まってくるのが分かった。そして、ソレを、丹念に舐め取っていく。 「っ……んっ……」  イったばかりで、敏感になっていたそこは、舐められるようなその動きに、また、反応してしまう。結構な量の精液が飛び散ったはずだが、綺麗さっぱり、舐め取られた。 「あ……っ」  不意に、触手が、熱を浴びたように感じた。肌に食い込んでる触手が、先ほどより熱い。  触手は、また、蠢き初めて、素肌を探る。 「えっ、ちょっ……いま、イったばっか……」  抗議の声を上げようとしたら、触手が鎌首をもたげてきた。数本の触手が、目の前に迫る。ヤバイ、怒らせた。もしかして、喰われる!? 喰われるくらいなら、犯られたほうが良いのか……? とか、パニックを起こしていると、触手の先端の形が変わった。  大きく張り出した傘をもつ、少し、グロテスクにも見える、その、独得なフォルムには、見覚えがある。  ペニス、だ。  目の前に、数本のペニスがうねうねと蠢いているのを見た時、俺は、今から怒ることを正確に把握した。 (犯される……っ!)  止めろ、と声を上げようとしたら、触手の一本が、俺の口に入り込んできた。一気に喉の奥の方まで入り込む触手に、えづきそうになる。そうこうしている間に、乳首や、性器にそれが押しつけられて、なで回される。気がついたら、触手に体が持ち上げられていて、大きく脚を広げられていた。 「んんんっ……っ……っ……っ!!!」  パジャマは破かれて、下半身が晒されている。その、奥まったところに、触手が伸びてきた。  奥の入り口に、細い触手が何十本も集まっているのが分かる。  そして、それらは、固く閉ざしたそこをひらくように、ゆっくりと、さわさわと、好き勝手に蠢いて、少しずつ、内部へ入ってくる。おそらく、触手の先端から、何か、妙な液体が出ている。  口の中に、苦み走ったような、嫌な味が広がっていくし、身体の内側から刺激されているみたいに、熱くて、溜まらなくなった。  身体が熱い。燃え上がるみたいに。そして全身が、快楽に呑まれて、訳が分からなくなる。 「……っぅっあ……っ」  一度、触手は手を引く。今まで好き勝手に体内で蠢いていたその感触が消えて、物足りなくなった。もっと、好き勝手に動いてくれたら、もっと気持ち良くなれるのに。  経験はないが、それは、本能で分かった。 「ぁっ……あ……っも……っと……」  触手が入り口を撫でる。ひくっと、そこが物欲しげに引きつけを起こした。 「もっ……もっと……」  細い触手が伸びてきて、奥に侵入してくる。もぞもぞと動く、むずがゆいような感じから、じわじわと快感が滲んでくる。触手の先端から出ていた液体。アレが粘膜に直接触れると、もどかしくてたまらなくなる。 「ぁっ、ぁっ……っぁっ……もっ……」  もっと、もっと、もっと……。  それしか考えられなくなった頃、触手たちがそこを押し広げ始めた。なにかを待つための儀式のようだった。  やがて、赤黒い色をした、亀頭を先端に持つ触手が、悠然と近付いてくる。それは、今までのか細い触手とは一線を画す質量だった。 「えっ……まっ……ムリ……っ」  先端が、押し当てられる。熱くて、固い感触だった。勃起した、性器、そのままだった。  入り口を、ぐるぐると刺激しているのが分かる。  そして、ゆっくりとゆっくりと、熱が身体の奥に入ってくる。 「ん……っぁぁっ……っ」  意識が、何度も分断する。身体が、びくびく、震えた。内壁を無理矢理割り進んでいくような、巨大触手の感覚が、良すぎて、気がおかしくなりそうだった。 「ゃっ……っひゃっ……っあっ……っも……っ……っ」  もう止めて欲しいのか、もっとほしいのかも分からなかった。  ただ、戒められていても、もっと、貪欲に、それを味わおうと身体が動いているのは分かった。  口から、飲み干せなかった唾液が垂れて行くのが分かる。  後ろを犯されながらも、前も弄られているから、何度も達している。あちこちに、精液が飛び散っている。それを、触手が舐めていく。 (あ……こいつ……精液が、ごはん、なのかな……)  どうでも良いことを思いながら、慈しむようにゆっくりと侵入してくる触手が、もどかしかった。もっと、もっと、思いきり動いてくれたら、絶対、もっと気持ち良いのに……。  そこから先、何を口走っていたのか、定かではない。  ただ、快楽に負けて、正気を手放したのだけは自覚している。

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