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第12話 朝露

ーー金曜日。 「柊。」 「! 晃。ここで会うなんて、初めてじゃねぇか?」 「そうか?…これから学校だよな。」 「まあな。やっと金曜だぜ、ねみぃ。」 「…なあ。」 「ん?」 「今度…」 「…?」 「俺も、ストバス行っていいか?」 「はあ?お前、バスケ始めたんか?」 「いや、やらないけど…ちょっと、やってみたいというか。」 「どうしたんだよ、急に。」 「やっぱり、もっと体を動かしたいなって最近思って…」 「ふうん?じゃあまあ…別のにしようぜ。ストバスってさ、荒い奴多いから。お前には向かないと思う。」 「そうか…」 「ボーリングどうよ?」 「いいな。卓球もやりたい。」 「おう。…なあ、今日俺のこと待ってた?」 「あ…うん。学校行くの、このぐらいの時間だろうと思って。たしか家がこの辺だと…」 「もしかして、親父の話聞いた?」 「…うん。母さんから、聞いた。」 「それで、わざわざ?」 「柊のことが、気になって…」 「…あれから、連絡してこなかったくせに。」 柊がボソッと何か言っていたが、横を車が通って、よく聞こえなかった。 「え?」 「いや。今日、部活だから。日曜でいいか?」 「うん。いいよ。あ。」 「何?」 「ほつれてるぞ。ここ。」 「ああ…まあ、別に困んねえし。」 「……。」 「じゃあ、明後日な。お前、学校あっちだろ?」 「ああ。日曜、迎えに行く。」 「!」 「いいか?10時ぐらいに。」 グニッと、柊が晃の頬をつねった。 「な、なんだ?」 「わかったよ。寝てたら起こしてくれ。」 「…よろしく。」 柊と、久しぶりに遊ぶことになった。 何と声をかけようかと考えていたが…俺は、柊と遊びたかったのかもしれない。 日曜が楽しみだ。

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