18 / 27

第18話 不意

ーー水曜日。 休み時間は、昨日のバイトの復習をする。 そして次回のために、イメトレをしておく。 まだ慣れないが、店長や先輩たちが優しいので、もっと頑張ろうと思える。 そんなことを考えているうちに、色々なことが頭の中を巡る。 今日の放課後…特に予定はない。 宇月はたしか、部活があったな。 柊は、何をしているかな。今日は部活だろうか。 その時、ピロン♪とスマホが鳴った。 ん?メッセージ…誰からだろう。 ! 柊からだ…。 『悪い、今週の日曜ダメになった。バスケの試合あったの忘れてた。』 そうか…仕方がないことなのに、なんだかショックが大きい。 この間の運動で、腕も足も筋肉痛になった。だけど、それ以上に楽しかったし、何より…柊と遊べないのは寂しい。 バスケの試合か…。 先週は俺と遊んでいて良かったのか? 『わかった。試合、頑張れ! 来週の日曜はどうだ?』 『予定わかったら、連絡する。』 返事を待つしかない。残念だ。 午後は眠たい経済学の授業だし…憂鬱だ。 「どうした?暗い顔して。」 「え?あ…そうか?そんな大したことじゃないんだけど。」 「ふうん。どんなこと?」 「…今週の日曜、遊ぶ約束してた友達と遊べなくなった。それだけなんだ。」 「…じゃあ、俺と遊ぶ?」 「え。仕事はないのか?」 「うん、たまたま…あ、夕方は予定あるけど、それまでなら。」 「そうか。うん、いいな。外で会うの初めてじゃないか?」 「まあ…そうだな。」 「二三月は、休みの日は何してるんだ?」 「え、特に…あんまり外に出ないから。」 「インドアなんだな。」 「ゲームするか映画みるか…別に外が嫌いってわけじゃないけど。」 有名人だからか?外に出ると、色々と大変なんだろうか…。 「じゃあ、うちに来るか?」 「…え!?」 「外より中の方がいいんだろ?うちはそんな広くないけど、親は朝から出かけるし、来てもらって構わない。」 「へえ…じゃあ、行く。」 「よし。あ、何も持ってこなくていいからな?」 「うん…。」 二三月がうちに来ることになった。 柊は、どこで試合するんだろうか。 今度、応援に行こうかな。

ともだちにシェアしよう!