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第10話
ホシザキシュンの話
訳の分からない気持ち良さにぐいぐいと押し上げられていたら、急に下からこみ上げてきた衝動に流され射精した。
一瞬ホワイトアウトした後にじわじわと現実に引き戻された。息が上がって汗だくだけど、そんな俺の胸にユウヤさんが頭をもたれ掛けて肩で息をしていた。
してもらった癖にその様子が愛しくなってそっと抱いたら、大きく息を吐いて脱力された。
少しずつ息を整えて、ようやく正気に戻ると、彼のお腹から滴ってきた精液が二人の脚を伝わって落ちていた。状況的に見れば、俺の…とユウヤさんのだよな。
「あ、あの、すいません」
ありがとうと言うのも変だし、よかったですじゃあ上から目線だし、こう言う時なんて言葉を繋げばいいんだろうって迷ってたら、
「はー」
と盛大なため息の後黙って指サックみたいなのを外して、タオルで2人のお腹やへにゃけたペニスを拭いてくれた。
膝に乗りっぱなしな事に気が付いて慌てて降りる。いくら痩せているとはいえ、男をずっと乗せていたら重かっただろう。
さっきのため息はそれだったのかな?
ズボンを上げて顔を見ると、にっこり笑ってくれた。
「喉、乾いてるでしょ?飲みかけでもよければどうぞ」
差し出されたペットボトルを見て、物凄く水が欲しくなっていることに気が付いた。
「ありがとうございます、いただきます」
「2人部屋だよね?さすがにイカ臭いから、僕の部屋でシャワー浴びてきなよ」
確かにこんな状態で戻ったら、ツインの部屋に女を連れ込んだ奴と同レベルかもしれない。
お言葉に甘えてシャワーを浴びて服を濯がせてもらう。ノックをされて振り返ると、シャツと短パンとタオルを手渡された
「どうぞ」
ここ で洗濯してもらったみたいで、全部きっちりアイロンがかかっていた。
「ありがとうございます…あの…」
どこまで何を言えばいいのだろう?恋人がいるから、って宣言された後にいたした時は。
正直、さっきの快感の余韻がまだ躰の中にある。でも「またして下さい」だなんて言える状況ではない。
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