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第18話

ユウヤの話 目が合う、ってことはこっちも相手を見てるってことだ。 今、僕の脚の間に顔をうずめて、潤んだ眼がこっちを見ている。 星崎くん、意外にも上手だった。舌がぐねぐねして気持ち良すぎるから、のまれてしまわない様に綺麗についてる肩と背中の筋肉をそっと撫でると、うっとりと目を伏せた。躾のいい洋犬みたい。 「王子」と心の中で呼んでみる。 星崎くんは可愛かった。状況にすぐなじんじゃうのか、快楽に弱いのか、初めてとは思えないくらい行為に没頭していた。 「ね、ハンドクリームか何かある?」 え?って目で答えてくれた。 「ローションとか、ないでしょ?」 あ、動きが止まった。と思ったら、ゆっくりと口から僕のを出して体を起こし、ベッドから降りてごそごそし出した。それから、ちょっと恥ずかしそうにして手渡してくれる。 「…ボディーオイルですけど…」 「ああ、いいのもってるね。ハンドクリームよりいいかも」 すごくいい匂いのするオイルを手に取り、キスしながらゆっくりと解してゆく。すぐに力が抜けて、こっちが心配になるくらい無防備に躰を預けてくれた。 こんなきれいな顔で、あっさり僕みたいなのを家に入れちゃって大丈夫か、この子? いや、それ以前に取引先の社員だった。 眉根を寄せて切なそうなに声を出すのを見ながら、今度は「王子」って口に出して言ってみた。とろんとした顔でしばらく考えている。 「なんで……?それ、学生の時の…」 「やっぱり呼ばれてたんだ。そんな感じがする」 「いつ別れたの?」 「え?」 「恋人かセフレ、ホントはいたんでしょ?」オイルを指さして言う。 わ、真っ赤になった。 「いえ、いません…それ、自分用…保湿用です…」 「え?じゃあほんとに初めて?」嘘でしょ?嘘であってほしい。 「…はい」 初めての子とはやらない、って決めてたのに。 う、でもここで止めるのは…無理。 「じゃあさ、今日やったからって別に付き合う訳じゃないから、安心してね。誰かいい人見つけなよ」 星崎君が目を丸くしている。 「どういう、意味ですか?」 「そのまんまの意味だよ。する前に言った方が親切でしょ?」

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