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第9話

 俺は絶叫した直後、なにかが出たような感覚がした。けれど、根元を握られている陰茎からは何も出ない。代わりに、全身を漣のように、気持ちいいという感覚が飲み込み、それが長い間俺の体を苛んだ。ぴくぴと俺の指先は震え、思わずその感覚を堪えようと足の指先を丸くする。 「あ……っ、……――」  最後にまたズクンと突き上げられた瞬間、気持ちが良いという感覚に完全に飲み込まれ、俺は気絶した。 「んっ……」  目を覚ますと、俺は最初、何が起きているのか分からないままだった。  ゆるゆると視線を動かすと、俺の陰茎を美味しそうにじゅるじゅるとユイフェルが舐めていた。口に含んでは鈴口を味わうように舌で嬲り、口を離した時は、うっとりするように俺の筋を舐めてあげている。 「!!」 「ああ、目が覚めた?」 「あ、あ……」 「どうだった? SEXは?」 「ンん、っ」  俺は両手で自分の口を押さえる。声が出てくるのが恥ずかしい。ペロペロと俺の陰茎を舐めながら、上目遣いで、ユイフェルが俺の様子を窺っている。 「どうだったの?」 「えっ……ぁ……」 「気持ちよかったでしょう?」 「んン……」 「今も気持ちがいいでしょう?」 「う……っ、ン、うん……うん……っ」  気持ちが良いけれど、体が熱くて辛い。それでも俺は小さく頷いた。 「美味しい精液、寝てる間にもいっぱい出してくれたもんね。僕のご馳走。最高の初日だよ」  獰猛な目をして笑ったユイフェルに、俺はその日、何度も口で射精させられて、射精という概念を知り、何度も硬く巨大な陰茎で後孔を暴かれては、ドライオルガズムという感覚を教え込まれ、幾度も意識を手放し、けれど起きればまた体を愛撫されているという状況をたたき込まれ、とっくに出せなくなって無理だと泣きわめいても許されず、透明で緩慢に出るような状態に変わっていた精液を幾度も幾度も無理に出させられて、飲み込まれた。  ぐったりとしてまた意識を飛ばした俺が、次に瞼を開けると、俺の全身が清められていた。傍らに寝転んでいたユイフェルが、俺の髪を撫でる。幼子の時以来だった、誰かにこんな風にされたのは。 「おはよう」

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