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第15話

「ううん。ラークにもっと美味しいものを食べてもらいたいのと……せっかくなら、一緒に買いに行って、デート……してみたいな、って」  ぽつりと伝えてから、気恥ずかしくて、僕は顔から火が出そうになった。  すると唖然とした顔をしてから、ラークが破顔した。 「俺が一緒、か。絶対に俺から離れないと約束できるか?」 「うん? ラークが離れたら、僕の方が嫌だけど?」 「――本当に可愛いな、オリビアは」 「っ、僕は平凡だよ。ラークこそ、本当に格好いいから……うーん。二人で並んで歩いたら、街の人達に笑われちゃうかな? 釣り合わなさすぎるって」 「釣り合わない?」 「僕の容姿は、ラークとは違って平凡だから」 「それのなにが悪いんだ? お前の容姿が卓越してずば抜けていたら、ただでさえ表情豊かで性格がいいから虫が大量に寄りついていたというのに、もっと俺のライバルが増えていただろうから、今のままでいい」 「ライバル? 僕の方こそ、ラークを好きな人がたくさん居るから、ライバルだらけだったんだけど……?」 「俺はオリビアのことしか見ていない。見えない」 「――うん。信じてる。僕の方こそ、ラークを信じてる」  思わず僕は両頬を持ち上げる。僕は今では、ラークの愛情を疑っていない。  ラークが存分に僕を愛してくれるからだ。体を重ねない夜も、一緒に眠るようになって久しい。僕は日々、幸せを噛みしめている。  なお、僕の両親には、ラークは、僕がラークの家にいると伝えてあったらしい。  理由は、『結婚したから』とのことで、この街では、伴侶になった場合、家主のがわには、たとえ両親であっても口出しする権利はないため、『今は家から出ないつもりのようだ。そっとしておいて欲しい』とラークが伝えた結果、僕の両親は頷くしかなかったようだ。僕は一度、ラークの前で手紙を書いて、文面も見せてから、両親に渡してもらったのだが、その時聞いたら、そのように言われた。両親からの返事にも、『片想いが実って良かったな、結婚おめでとう』と書かれていたので、誰も驚いていない様子だ。  ――しかも、僕はラークと結婚したとして、周囲に認識されているそうだ。

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