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第10話

初めて向けられた優人さんの笑顔に驚く 「おーい!なつ?どうした?」 そう呼びかけられ、ハッとする 「なんでもない、、、。」 「そっ。そんで?なつは?」 「なにが?」 「いくつ〜とか学校はどこ〜とか。」 そう聞かれ戸惑う。 なんて答えようか迷っていた時、優人さんの携帯がなった 「ちょっとごめん。」 そう言って電話に出る。 終わるのを静かに待っていれば 「ごめん。行かなきゃ行けなくなった、、、。また今度な。」 そう言って急いで行ってしまった 正直助かった 夢もなければ学校にすら行ってない、、、そんな俺が話すことなんてなにもないから。 それから数日優人さんと会うことはなかった "学校が忙しいのか?今日も会えないのかな...." 会ってあの日と同じ事を聞かれたら困るのにそんな事を考えてしまう もう少しで公園だ。そう思っていたら少し先に見覚えのある男性が歩いていた "かずさん、、、?" そう思ったら駆け出していた。 追いつき腕を掴めば驚いた様子でその男性が振り向く。 「やっぱりかずさん、、、。」 「あっ、、なつくん。」 1ヶ月ぶりにみたかずさんはとても疲れた様子だった。 "やっぱり仕事が忙しかったのかな...." そう思ったのが顔に出ていたのか 「ごめんね。連絡しなくて....」 そう謝る 「別に、、、忙しかったんですよね、、疲れた顔してる、、、」 それを聞いたかずさんは力なく笑う そして心配そうに 「発情期は?大丈夫だった?」 と聞いてきた。 かずさんは俺の発情期の時にはまとめて時間をとってくれてずっと付いてくれる でも先月はそれが出来なかったから気にしてくれたんだろう。 かずさんと関係を持って間もない頃、発情期になり予定の入ってたかずさんに『発情期になったから今日は俺の家で。』その1文と位置情報を送った時があった。 すぐに連絡があり、『体調は大丈夫?必要な物があれば持っていくから教えて欲しい。』そんな言葉が返ってきた。 初めてだった。 大抵の人は俺の家まで来る事に文句を言ったり、『じゃぁ濡れやすくなってんの?』そう笑いながら言えばろくに準備をすることなく入れてくる人。 だから自分の体調を気にかけてくれる人なんて初めてだったんだ、、、 その夜家へきたかずさんは 「あれから体調は?一応軽めに食べられるゼリーとか飲み物買ってきたんだ。」 そう言って優しく笑った。 かずさんの前の人に『わざわざここまで来させやがって。』なんて文句を言われながら乱暴に抱かれていた。 発情期で気持ちが不安定になってる事もあってか、ついかずさんの前で泣いてしまった、、、。 俺の涙をみたかずさんは慌てて俺に近付くと抱きしめながら背中を撫でてくれた。 「大丈夫? なつくんさえ良ければこうしてるから、全部はき出してよ。」 初めての優しいぬくもりに涙が止まらない俺は思わずかずさんにすべてをはき出したくなった、、、 でもだめだ。これ以上迷惑をかけてはいけない。なんとか堪え、ただただ泣いた かずさんはそんな俺の気持ちを察したのか、それ以上は何も言わずにただ静かに抱きしめてくれていた

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