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第14話
いつもは憂鬱になる朝、だけど今日は夜に優人さんとの予定があると思ったら気持ちは明るかった。
お昼頃に公園でおにぎりを食べていれば、優人さんから [今日行けそうかな?] そんなメッセージが届いていた。
[行けます!!] [そっか、よかった。じゃあ18時にいつものとこでいいかな?] [大丈夫です!] [じゃあそれで!] [分かりました!]
たったそれだけ、、、だけど初めてのやり取りがすごく嬉しくて。
やり取りの終わった画面を眺めればつい頬が緩んでしまう
"それにしても暑いなぁ。もう8月か、、、"
先程買ったペットボトルを額にあてる
"冷たくてきもちいい"
そう思いながら目を閉じる
しばらくそのままでいたら足音が聞こえてきて首筋に冷たいものがあたる
「うわぁ!!!」
思わず大きい声が出てしまい驚きで立ち上がる
「あっ、ごめ、、、ふっ、、、ふふっ、、、」
なんて笑いながら優人さんが言ってきた
「優人さん!??ってか笑いすぎじゃないですか!?誰だってこんな事されたらこうなりますよ!!」
なんて少し怒りながら言う
「ごめんごめん。まさかいると思わかったからちょっと驚かせてみようと思って。そしたらあまりにも反応が良かったからつい、、、お詫びにこのアイスあげるよ。」
なんて言いながらずっと笑っている
「優人さん夏休みじゃないんですか?だからこの時間ここら辺いないと思ってました。」
なんて貰ったアイスを食べながら言えば
「友達の家でべんきょー。この近くって言っただろ?」
「あーなるほど。確かに言ってましたね。
「なつは?」
「少しだけ時間あったんでお昼食べてました。」
そう言ってコンビニの袋を見せる
「そうだったんだ。」
「優人さんはお勉強終わって帰るんですか?」
「うん。なつとの待ち合わせ前にお風呂入ってオシャレしようかと思って」
その言葉に胸が弾む
「そんなオシャレする程楽しみなんですか?」
「楽しみだよ。初めてだしね」
なんて笑顔で言ってくるからどう反応したらいいか分からなくて黙ってしまう
「なつは?なつも楽しみって思ってくれたりする?」
「、、、はい。」
「そっか、よかった!」
雰囲気が何だかふわふわしててむず痒い
でも嫌ではなくて、むしろ心地よくて、、
「あーなつ!アイス!!とけてる!」
いきなり優人さんの慌てた声で手に視線を向ければ溶けて垂れてきていた
すると優人さんが俺の手を取り自分の口へアイスを運ぶ
掴まれた手、少し近くにある優人さんの顔に心臓が大きな音を立てる
"ちかい、、、" そう思った瞬間顔が熱くなるのが分かった
慌てて顔を背け落ち着かせようとするけどおさまる気がしなくて、、、すると
「おーいなつ!!大丈夫か?」
「だっ!大丈夫!ちょっとボーッとしただけだから、、、」
そう言えば『熱中症には気をつけろよ〜』なんて言いながら立ち上がる
「んじゃ俺はもう行くわ!また後でな!」
「あっ分かった!!」
「じゃぁな!」
そして優人さんは歩いていった
気付けば俺も行かなきゃ行けなくて、、、
優人さんの背中が見えなくなるまで見送ったあと、俺を買う人の元へ向かった
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