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第24話
[倒れて病院に行った。体の傷で病院から警察に話がいきました。]
短い文章を打ち送信する
するとすぐに返事がきた
正直こんなにすぐくると思わなかったから驚きながら確認する
[ふざけんな適当に誤魔化しとけ警察が私のとこに来るようなら許さない]
想像通りの内容がそこにはあった
だけどもう我慢なんかしたくない
[明日の朝に話があるので家に帰ってきてください。]
そう送るけど返事はこなくて、、、
だけど俺の為に泣いて温かい言葉をくれた2人の為にも終わらせるつもりでいた
ペンを持ち紙に
母親に連絡して明日家へ帰るよう伝えた事
そこで全てを終わらせるつもりでいる事
だから明日には病院を出たい事を書いてかずさんへ渡す
一瞬険しい表情をし「明日は俺も休みだから一緒に行く。それならいい。」と告げる。
その言葉に驚いて首を横にふる
「何をされるか分からない所に1人で行かせられるわけないよね? それに声も出ない状態で危険だよ。心配なんだ。ついていけば何かされそうになった時止められる。」
かずさんがそう言えば横で聞いていた優人さんも頷いて
「俺もついていく。もうなつが傷つくのは許せない。その為にもついていく。」
それからは2人がついていくの一点張りで、もし1人で行くと聞かないなら絶対に明日は外へ出さないとまで言い出したので、最後には外で待っていて何かあったらすぐに駆けつける事で決まった。
「じゃあ俺は戻るけど、今日も一日安静にしててね。」
そう言ってかずさんが病室を出る
それからお昼まで一緒にいた優人さんも「少し用があるから。明日の朝迎えに来るから。」と帰って行った
1人になった部屋で明日の事を考える
あの母親の事だからすんなりいくとは思わない
だけどやるしかなくて、、、まだ少し残る不安や恐怖から手が微かに震える
布団の中で自分の体を抱きしめる
"俺はもう1人じゃない....大丈夫......"
そう言い聞かせて何とか気持ちを落ち着かせる
迎えた翌日
身の回りを整理して退院の用意を進める
でも持ち物が少なかったのですぐに終わり無駄に部屋の中をうろうろ歩き回っているとドアがノックされゆっくり開く
優人さんが入ってくると「おはよう」と笑顔で挨拶をする
声で出ないかわりに手をあげて応える
俺の体を気遣うように歩きながら一緒に病院から出れば駐車場でかずさんが待っていた
何度か家に来た事のあるかずさんの運転で向かう。家に近付いて行くほど心臓がバクバクと大きな音を立てていた
本当に2人と一緒にきて良かったのか
もし2人がケガをするような事になったらどうしよう
なんて考えていればギュッと優人さんが手を握ってくると
「また俺らの事気にしてるだろ!」
「俺らがなつの事心配して自分達で行くと決めたんだ、だからなつが気にする事はない。」
そう伝えてくれる優人さんの顔を見れば真っ直ぐ僕の目を見つめていた。
「ついたよ」
かずさんの声が聞こえ見れば家の近くのコインパーキングに車が止まった所だった
3人で車を降り家へ近づく
一歩一歩進む度心臓の鼓動が早くなる
家へつき玄関を開ければ母親のいつものヒールが見えた。『いる、、。』そう思って覚悟を決める。
2人には何かあった時すぐに逃げれるよう少し開けた玄関ドアのすぐ側で待ってもらう事にした
中を進んでいきリビングに入れば椅子に座っている母親と目が合う
「で?話ってなに?」
話せない俺は用意していた紙を見せる
〈やめたい......こんな生活......もうやめる〉
「はぁ?お前何ふざけた事言ってんの?ってかちゃんと喋れよ」
そう言って近くにあった灰皿を俺に向けて投げつける
俺のすぐ横にきた灰皿は壁に当たり大きな音を立て落ちたはずみで割れる
だけど俺は母親から視線を外すことなく〈もうやりたくないです。〉と書かれた紙を見せる。すると大きく舌打ちをして立ち上がり俺の目の前に来ればそのまま腕を振り上げた
思わず目をつぶり自分の腕でくるであろう衝撃に備える
だけどいつまで経ってもこなくて、、、かわりに
「何してんの?」
そう低い声で話す優人さんの声が聞こえた
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