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第25話
その日優人さんもかずさんの家に泊まる事になり、3人でご飯を食べ、ゲームをしたりして楽しく過ごした。
きっと1人でいたら不安でしょうがなかっただろうな、、、そう思ったら『2人ともありがとう』と無意識に発していて涙が出ていた
2人は僕を見るとただ黙って頭を撫でてくれた
なんかここ数日泣いてばっかだし、その度に頭を撫でられてる気がする、、、。
でもそれがすごく心地よくて安心する、、、
その夜はリビングで3人並んで寝てしまった
翌日、目が覚めればお昼前。まだ寝ている2人を起こさないよう気をつけながら移動する
ベランダに出て外を眺めれば鳥のさえずりが聞こえてきてなんだか心が落ち着く
『今日すごくいい天気だな、、、』そう呟けば『それじゃぁお昼はテイクアウトでもしてどこか外で食べようか?』なんて声が後ろから聞こえ驚いて振り向けばかずさんが窓に背もたれながら立っていた。
「いいんですか?」
「あぁ、なつくんが言うようにいい天気だしいいんじゃないかな。優人くんもちょうど起きたようだし!」
そう言われて部屋の中を見ればボーっと一点を見つめて布団の上で座っている優人さんが見えた。
その姿に思わず吹き出すと『彼、寝起きあんな感じなんだね。しっかりしてる感じだから少し驚いた』 『ほんとですね、、なんか可愛い』なんて会話をしていたら思考がはっきりしてきたのか優人さんが立ち上がりこちらにやって来た
「「おはよう」」
「おはよう、、、ございます、、、」
まだ少し眠そうな優人さんの挨拶にかずさんと笑い合えば少しムスッとした顔をしたのがまた可愛かった、、、、
優人さんの目が完全に覚めた所で近くのカフェでサンドイッチをテイクアウトして噴水のある広場で並んで食べ、終わった後には近くを散策して過ごした
そして僕の家に向かう時間が近づいてきた
何度か来た事のある優人さんの運転で向かってる間は心臓がバクバクと音を立てていた
ほんとに2人と一緒にきて良かったのか
もし2人がケガをするような事になったらどうしよう
なんて考えていればギュッと優人さんが手を握ってくれる
「また俺らの事心配してるだろ!」
「えっ?」
「俺らがなつの事心配して自分達で行くと決めたんだ、だから心配すんな!!」
そう伝えてくれる優人さんの顔を見れば真っ直ぐ僕の目を見つめていた。それに僕は『分かった。』と言うと優人さんは満足気に頷いた
「ついたよ」
かずさんの声が聞こえ見れば家の近くのコインパーキングに車が止まった所だった
3人で車を降り家へ近づく
一歩一歩進む度心臓の鼓動が早くなる
家へつき玄関を開ければ母親のいつものヒールが見えた。『いる、、。』そう思って覚悟を決める。
2人には何かあった時すぐに逃げれるよう少し開けた玄関ドアのすぐ側で待ってもらう事にした
中を進んでいきリビングに入れば椅子に座っている母親と目が合う
「随分早かったね。かねは?」
「ない、、、。」
「はぁ?お前またあそこ連れていかれたいの?まぁいいや、来いよ。」
そう言って僕の髪の毛を掴む
『いた.....ぃ....やめっ......』そう言った瞬間
「何してんの?」
そう低い声で母親の腕を掴んだ優人さん
それに驚き手が離れた瞬間かずさんが僕を母親から引き離した
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