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第27話

夕食の時間が近いということで3人でご飯を食べることになりかずさんオススメのお店へ向かう 個室のお店で初めて3人でした食事は楽しくてしょうがなかった 明日は優人さんが学校ということもあり「そろそろ帰ろうか」というかずさんの一言で帰り支度を始める その時かずさんが俺に向かって「なつはどうする?」そう問いかけた 質問の意図がよく分からなくて首を傾げれば「あの家に帰りたい?」そう聞かれた "本音を言えば帰りたくはない。いくら終わったといえあの家には嫌な思い出しかない.....だけど今ここでそれを言ってしまっては2人に迷惑がかかってしまう......" そう思っていれば「なつ。俺は頼って欲しいって言った、、、だから本当の事言って欲しい....。」そう視線を合わせて言われる その視線を逸らせなくて素直に頷いた すると笑顔になったかずさんが「よし!じゃぁ俺の家へおいで!」そう言った 驚けば「もちろんずっとってわけじゃない。なつの気持ちが安定して1人でも生活出来るようになるまでだ。それまで俺とルームシェアはどうですか?」 正直俺からしたらめちゃくちゃに嬉しい提案だ でも本当にここまでしてもらっていいんだろうか 今までもそして今日も、、、数えたらキリがないほどにかずさんにはお世話になっている だけど、、、『頼ってほしい。』そう言っていたかずさんの姿を思い出して、俺はまた素直に頷いた それにかずさんは「じゃあ帰り道でいろいろ買い揃えないと!」と楽しそうに言った その様子を見ていた優人さんが「いいなぁ」なんてぼそりと呟く その声にかずさんが 「今日は優人くんも泊まるかい?」 「いいんですか?」 「俺は大歓迎だよ。なつくんもだよね?」 その問いに笑顔で頷けば「決まりだ。」そう言ってお店を出た 途中で寄ったお店ではたくさんの買い物をして家路につく 案内されたかずさんの部屋でゲームをしたり、今日朝起こった出来事なんて忘れるくらいの楽しい時間を過ごした。 翌朝目覚めればかずさんはもう起きていて用意をしていた 目が覚めた俺に気付いたかずさんが 「おはようなつ。俺はもう少ししたら仕事で出るけど、お昼には終わるからそうしたら一緒にご飯食べよう。」 そうかずさんが声をかけてきたので頷く 「優人くんはお昼過ぎからって言ってたからもう少し寝かせてあげたらいいよ。きっとここ数日寝れていなかっただろうし、時間になったら起こしてあげて。」 そう優しく言いながら玄関へ向かう その後を追って見送れば「また連絡する」そう言って扉を閉めた 俺は優人さんがまだ寝ている部屋に戻りその寝顔を見つめる "本当に綺麗な顔をしているな....寝顔もカッコイイ" そんな事を思えば "寝ている人の顔を見てこんな事思うなんて変態みたいだ...." なんて思い慌てて顔を逸らす 同じ部屋に居ればつい見てしまう、、、そう思ってリビングに移動してこれからの事を考える "母親がすぐに出てくる事はないと思いたい。でもあの家はどうなるんだろう、、、俺はこれからどうしていったらいいんだろう』と不安が募る。 考え込んでいれば「おはよう、なつ」そう声をかけられて思わずビクッと体が反応する 「あっごめん、、、ビックリさせるつもりはなかったんだ」 そう申し訳なさそうに言いながら優人さんが俺の横に座る "大丈夫。" そんな意味を込めて首を横に振る 時計を見ればあれから数時間も立っていてお昼前の事に驚く "優人さんの事起こす予定だったのに....残念だな" なんて思いながら優人さんを見たら「どうした?」と優しい笑みを向けてくれる その笑顔に思わず見惚れてしまう 「なつ?どうしたの?」と再び問いかけられ慌てて首を振り立ち上がる それに驚いた優人さんに "時間は大丈夫なの?" の意味を込めて時計を指さす すると「あっやばい、、、」そう言って慌てて用意を始める優人さんを眺める 優人さんはすぐに終わらせ玄関に向かった 思ったより早かった事に驚いて後を追えば「じゃあ行ってくるね!」笑顔でそう告げて出ていった 完全に1人なった空間で思い出すのはさっきの不安で、、、 "とりあえず働く場所を探さなきゃいけないよな、、、でもオメガの俺を雇ってくれる場所があるんだろうか、、、ヒートの事もあるし" そう思いながらふと気付く そういえば最後にヒートがきたのはいつだ.....? 慌ててカレンダーを確認する 3ヶ月が経つけどきていない事に気付く 嘘、、、なんで、、、?だって行為の時にはいつもゴムをつけてもらっていた、、、おまけに子供が出来たらお金を稼げなくなるからと、あの母親は避妊薬だけは買っておけとお金を渡されていたから常備していた 何かあればすぐに飲めるように、、、 その時ふと思い出す あの男の元へ言った時に強制的にヒートを起こさせる薬を飲んだことを あの時ゴムは、、、? 行為が終わり立ち上がった時、家に帰った後 思い出されるのは後ろからドロっとしたものが出てきた感触 うそだ、、、どうしよう、、、 子供が、、出来たかもしれない、、、、? 一度そう思ったらそれしか考えられなくなってしまった

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