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第29話
家でじっとしているとどうしても考えてしまう、、、その雰囲気を察したのか かずさんが『ドライブ行かない?』そう提案した
「いいんですか?」
「もちろん!今日天気も良かったからきっと気持ちいいよ」
そう言いながら車のキーをくるくると指でまわす
でも勢いをつけ過ぎたのかポーンと僕の所へ飛んできた
それに思わず吹き出したら『もーせっかくカッコよく外連れ出そうと思ったのに』そうぶつぶつ言いながら顔を少し赤くしていた
『かずさんって基本頼りになる人だけどたまにこういう時あるよな....』なんて思いながらクスクス笑えば『笑いすぎ、、行くよ』と言いながら髪をぐしゃぐしゃにされた
かずさんのおかげで楽しい気持ちでドライブがスタートした
思いつく場所を2人で言い合いながら色んな所を回っていく。そしたら優人さんが言っていた終わる時間に近付いていたので学校の場所を聞いていたかずさんの提案でサプライズで迎えに行く事になった。
「なつくんに迎えに来てもらったら優人くん喜ぶだろうな〜」
なんて上機嫌で鼻唄なんかしていた
「ここ車停めておけないから近くの駐車場行っているからなつくんは降りて優人くん待ってて」
そう言われて学校近くで待っていれば、ぞろぞろと生徒が出てきた。すると優人さんから『終わった!』と連絡がきたので『迎えにきたよ!』と返せば すごい勢いで走ってくる人がみえる、、、。どんどん近付いてきて顔がはっきり見えれば優人さんだった。『なつ!!』そう満面の笑顔で名前を呼ぶ
「迎えにきてくれるなんて、すごく嬉しいよ!!!」
「かずさんとその.....ドライブ.....してたんだ......それで.......優人さんを迎えに行こうって.....なって」
唐突な優人さんの笑顔に心臓がバクバクと急激に音を立てたことでしどろもどろの説明になる
すると『いいな〜ドライブ』なんてボソッと聞こえる。優人さんも行きたかったのかな?そう思って、『今度は3人で行こう!』そう言おうとしたら、いきなり手を握られ『行こっ!かずさんは?』そう言われる
手を握られた事に驚いて反応が遅れる、、、
『なつ?』そう顔を覗き込まれ先程よりも心臓の鼓動が早くなる
繋いでる手にも意識が集中して手汗がやばくなりそうで、、、でもこの手を離したくなくて、、、僕どうしたんだろう、、、
するといつまでも僕が何も言わない事に不思議に思った優人さんが『おーい!なつ?』そう言って顔を近付けてきた事でハッとなる
「ごめん。かずさんなら向こうの駐車場で待ってるよ!」
するとクスクス笑いながら『すごい慌てるじゃん!早く行こっか。それにしても大丈夫か?』なんて言われ『うぅ、、、』となればさらにクスクスと笑われた
ほんとに最近どうしたんだろ、、、
優人さんに触れられると心臓がおかしい
でも触れられるのすごく嬉しいし離れられると寂しく感じてしまう
笑顔を向けられた時にはそれだけで満たされて幸せな気持ちになる
まだ握られている手を見つめながらそんな事を考えていた
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