30 / 54
第30話
その瞬間すごい力で抱きしめられる
痛いくらいに強いその力に幸せが溢れ出す
「なつ.....やっと....やっとだ、、、、」
そう言いながら俺の顔を両手で包み破顔した
そして優しく触れるキスをする
1回で終わることなく何度も角度を変えながら繰り返されるキスに息が続かない
酸素を求めて僅かに口が開けばその瞬間を優人さんは逃すことなく舌をいれてくる
その後も舌を絡め取りながら繰り返される深いキスに酔いしれていれば上顎をゆっくりなぞられる
思わずビクッと反応しあまりの気持ちよさに身体を離そうとするのを、後頭部にまわる優人さんの手が許してくれない
力が抜けていく俺をしっかり支えながらそのままゆっくりと寝かせる
「ごめんね。必死に応えるなつが可愛くて離せなかった。」
そう言いながら涙目になっている俺の目元に軽くキスをする
その唇が頬に下がり首元におりていく
瞬間チリッとした痛みがひろがる
『なつは俺のものだからね』そう言ってその痛みの跡に優しく口をつける
幸せだと思った、、、
だけど、、、優人さんの手が身体に触れた瞬間、、、俺は優人さんの手を払い除けてしまった、、、
さっきまで高ぶる気持ちで受け入れていたのに、、、
もっと欲しいと優人さんを求める身体に素直に従おうと思っていたのに
ほんの僅かに残った理性がそれを拒絶した
驚く優人さんを目に自分でも驚く
さっきまで大丈夫だったのに、、、身体に触れられた瞬間頭に再び流れ込んできた、、、自分がこれまでしてきた事、色んな男に触れられ身体を重ねてきた時の事、、、今も残る痣や傷痕の事、、、
そして『気持ち悪い近付くな』優人さんと初めて会った時に言われたあの言葉が、、、
その瞬間震え出す体
あの時とは違う、、、
だから欲望のままに優人さんを求めればいい
今は俺の事を好きだと言って優人さんも俺を求めてくれてるんだから、、、
もう身体は限界なはずなのに
今すぐにでも優人さんに抱いて欲しくて仕方ないはずなのに
心の中でずっと引っかかっていた事が
今さら気にしたって過去はどうにもならない
そんな事分かってる
でも気にせずにはいられなかった
ぼろぼろと溢れ出す涙
優人さんの顔を見ながら俺は声にならない声で叫んだ
"見ないで......触れないで.....俺の身体は.....醜くてきたないから......"
だけどそれは優人さんに届くことはなくて困惑の表情を浮かべる
どうしたらいいのか分からない
その間にも身体は優人さんを求め続けている
その時近くにあった布団で自分の身体を隠すようにした俺の行動を見た優人さんが恐る恐る問いかける
「もしかして....体見られたくない....?」
そう聞かれる問いに頷くと同時に首をふった
それに戸惑いの表情を浮かべた後に何かに気づいた顔をする
「もしかして.....これまでの事気にしてる?」
その言葉に静かに頷けば、優人さんは俺を起こし自分の膝の上に乗せれば壊れ物に触れるかのように優しく触れ、そして抱きしめた
「大丈夫、、、大丈夫だよ、、、俺は過去も含めてなつの事が好きなんだ。なつの全てが好きなんだ、、、だから気にする事は何もないんだよ......」
俺の不安を取り除く様に、優しく、だけど震える声でそう伝える
その姿に俺は自分から優人さんへ軽いキスをした
そして何度も角度を変え軽いキスを繰り返す
だけどそれに物足りなさを感じて、、、自分から優人さんの舌に自分の舌を絡めた
それに優人さんが応えたことで一気に深くなるキスに頭はもう蕩けそうで
思わず自分の手を後ろに回す
そこはもう驚くほどに濡れていて
ゆっくりと指を入れればビクッと反応する身体
なるべく奥まで入れるけど物足りなくて.....
その時お腹に熱いものがあたった
それにそっと触れれば布越しでも分かるほどに熱く固くなっていた
すると「触ってくれる?」そう問いかける優人さんに頷いて今度はしっかりとそれに触れる
「んぅ....」と漏れる優人さんの声に顔を上げれば気持ちよさそうに顔を歪める優人さんが見えて、、、
"もっと気持ちよくなって欲しい" そう思った俺はベルトを外し下着をずらせば直に触る
すると優人さんが腰に回していた手をゆっくりと下ろし俺の後ろに触れた
ゆっくりと入れられる指に身体が反応する
1本だったのが2本、3本と増えていく度に抗うことの出来ない快楽に襲われる
"もう....だめ....." そう思った時指が引き抜かれる
"なんで....?もう少しでいけそうだったのに..." なんて思いながら優人さんを見れば
「ごめん。もう我慢の限界、、、」
そう言うと俺をゆっくりと寝かせる
そしてゴムを手に取りつければ「なつ......いれるね、、、」と頭を撫でながら言われる
その言葉に頷けばゆっくりと入ってくるのが分かった
それだけで幸福感が凄くて、、、
"キスがしたい...." そう思って優人さんの首に手を回し軽くキスをする
「ひどくしちゃいそうだから...これでも頑張って抑えてるんだよ...だから煽らないで、、、」
そう言いながら必死に堪える表情をする優人さんに再び口付けをする
"抑えないで....何も考えられないぐらい....俺の中を優人さんでいっぱいにして....."
そう思いながら何度も角度を変えてキスをする
すると優人さんは「もう知らないよ、、、」そう言って舌を絡ませてきた
呼吸すらままならなくなるぐらいの深く激しくなるキスに優人さんにぎゅっと抱きつけば「かわいい....なつ....」そう言えば腰の動きが早くなる
"あっ....やばぃ...." そう思った時には半分意識が持っていかれていた
"終わった...?" そう思えば再び打ち付けられる腰に驚けば「ごめん、、、もう少しだけ」そう耳元で囁かれる
"まって....うそ......これ以上は......だめ...."
そう思うけど与えられる快感に飲み込まれていく
先程よりも激しくなる動きに目の前がチカチカとしてくる
それでもなお与えられる快楽に遂に意識が途絶えた
ともだちにシェアしよう!