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第30話

かずさんの元へ行けば僕達2人の手元を見てニコニコしていた。 その視線に気づき慌てて離そうとしたけど優人さんがさらに強く握ってきて離してくれない。その様子にかずさんはさらに頬を緩ませて見てくる。 恥ずかしくなった僕は『早く行こ!』そう言って下を向くしかなかった 近くのお店に入り夕食を食べれば優人さんの家へ向かう 実家暮らしだという優人さんの言葉に驚いて『手土産とか何も用意してない』と慌てれば『そんなのいーって』と言われるけどそうもいかない。どうしようと焦ればかずさんが『ちゃんとあるよ。』そう言って信号待ち中にチラッと見せてくれる。 さすがかずさん、、、。なんて関心していればあっという間に着き立派な家を見てまた驚く。『そういえば親は会社経営してるなんて言ってたな。』と自己紹介をしてくれた時の事を思い出す。 緊張していれば『親今日仕事で遅くなるらしいから今いないよ。』と言われ少しホッとしてしまう。すると『なつを紹介出来なくて残念。』なんて言うから驚けば、『2人の世界に入らないで、今日は僕もいるよ。』なんてかずさんに肩をたたかれる。 入ってなんか!と1人慌てる僕を見て2人が笑いながら家へ入っていくのを見て、またからかわれたのか、、、なんて思っていれば横にきた優人さんが『紹介はいつかね....』なんて耳元でコソッと言い赤面する僕を置いてさっさといってしまった 『もうほんと、最近おかしいな。』 なんて思いながら2人の後を追いかけるようにして僕も中へ入っていった。 しばらく待っていれば玄関でチャイムの音がなり、優人さんが言っていた弁護士の人がやってきた。これまでの経緯やどういう状況かの説明をし、これからの予定を伝える。その結果かずさんと過ごしても問題はないだろうという事になり、俺はその日からかずさんの家に本格的にお世話になる事に決まった。 その後弁護士さんが帰り、3人で少し話した後に僕とかずさんも帰る事になった。 「じゃぁなつ!また連絡待ってる!色々落ち着いたらご飯でもいいし、またあの公園で話すのでもいいから会おうな。」 「うん。優人さん色々ありがとう。本当に助かった。」 「気にすんな!俺がしたくてやっただけだから。」 そう言って僕の髪をくしゃくしゃとする。『かずさんと似たような事言ってる、、』そう思って少し笑みが溢れると『なんだぁ?』って言いながら顔を覗き込まれるから『かずさんと似たような事言うなぁと思って』そう言えば『ふーん。』といいながらさらに髪をぐしゃぐしゃとしてきた。 『ちょっとやめてよ〜!どうしたの』なんて言えば『別に〜』と少し不貞腐れた感じで答えてくる。その様子をかずさんがまたにこやかに眺めていた、、、。 優人さんに別れを告げかずさんの家に帰れば、お風呂の用意をしてくれた その後には2人で今後について具体的に話した かずさんは気にせず好きなだけ居てくれたらいいと言うけれど、さすがにやって貰ってばかりだ、、、何かバイトを探して生活費ぐらいは稼ぎたいと言えば 「それじゃぁうちの会社で働くかい?」 なんて言われ驚く。 「あれ?言ってなかったっけ、、、?ホテルをいくつかやっていてね、新しく出来る所の清掃スタッフを今募集している所なんだ。なつくんさえ良ければどうかな?」 「いいんですか?働く所まで用意してもらって、、、」 「もちろんだよ。なつくんならしっかりやってくれるだろうって思ってるからね。」 そう言ってもらえて嬉しくて、何よりかずさんの仕事の助けとなれる部分があるのなら。そう思ってそこで働く事に決めた

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