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第31話
それからはかずさんと一緒に暮らしながら、紹介してもらった仕事を始めた。
コンビニでバイトをしていた時は、オメガの俺を下に見る人しかおらず無茶な事を言ってくる人ばかりだった。
でもここでは分からない事があれば丁寧に教えてくれるし、自分と同じオメガの人も多数働いていてすごく気持ちよく仕事が出来る環境だった。1人で色々任せて貰えることに喜びを感じられ、やりがいのある日々の中である日上司の人に呼ばれた。何かしてしまっただろうかと不安を抱えながら休憩時間を迎えれば
「白雪さんが担当した部屋を利用したお客様からね、掃除が細かな所までいき届いててすごく良かったって声が多数届いてるの。この調子でこれからも頑張ってね。」
そう言って肩をポンポンとたたかれる。
嬉しかった。思わず泣きそうになるのを堪えながら『ありがとうございます。』そう言えば『これご褒美。』そう言って上司が小さめのケーキを1つ渡してくれる。『甘い物好きなんでしょ?みんなには内緒ね。』そう言ってイタズラな笑みを見せる。
思わずクスッと笑いながら『分かりました!』と言えば、たまたま休憩が被った1人が入ってきて僕の手にあるケーキを見て声をあげる
「あー白雪さんだけずるいでーす!!」
「早速バレたか。でもこれは白雪さんが頑張ったご褒美なので、、、」
「えー。見ててくださいよ!私も白雪さんには負けないぐらいの仕事してみせますから!!次そのご褒美貰うのは私です!」
なんて言いながら僕に近づき宣言してきた。それに『次も僕が貰います!』なんて笑って言えば3人で笑い合う。
ほんとに素敵な場所に出会えたな、、、
その日の夜、かずさんが仕事で遅くなる事もあり優人さんと電話をする
今日あった事を話せばまるで自分の事のように嬉しそうにする優人さんにまた心が暖かくなる。
あれから僕が仕事を始めたこともあり、前みたいに公園で会う事はあまり出来なくなってしまい、メッセージのやり取りがメインになってしまった。だけどこうやって電話で話したり、たまにご飯に行く事もある。
そしてその度に優人さんは
『俺はなつの事が大事だよ。一緒にいたいと思ってる』
そう言ってくれる。
その度に僕はお礼を言う事しか出来なかった
ほんとにその手をとっていいのか自信がないから、、、
優人さんの事を考える度に熱くなる
会えた日はすごく嬉しいし、頭を撫でられたりして触れられた時には早くなる鼓動
笑顔を向けられた時、優しくしてもらった時そのすべてを独り占めしたいと思ってしまう
優人さんと一緒にいたい
僕は優人さんの事が好きだ、、、
優人さんはアルファ、僕はオメガ
世間一般的に言えば番になりこれから一緒に生きていく事になんの問題もないだろう
でも自分の今までがどうしても頭によぎる
始めて会った時僕は他の人と肌を重ねる事をしていた
親しくなってからも何人もの人と肌を重ねてきた
その時消えろと思いながらお風呂で自分の体を痛くなるまで洗い続けた時が頭の中に流れてきた
そうだ、、、俺の体は汚れてる、、、そんな自分が優人さんのとなりにいたいなんてそんな事、、、あっていいわけがない、、、
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