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第37話
「なつ?どうした?」そう言いながら優人さんは驚きながらも優しく抱きしめ返してくれた
優しく俺の髪に触れ泣いている俺の目元を拭ってくれる
ほんの数分、お互い抱き合ってふと俺は気付く、、、ここ優人さんの家で、、、優人さんの両親が、、、、
そう思って見てみれば2人は俺たちを優しく見つめていた
顔が赤くなっていくのが自分でも分かり、慌てて離れれば優人さんが「残念、、、」なんて零す
すると優人さんのお母さんが「なつ君、今日はどうする?うちは泊まっていってもいいんだけど、、、」
そう言われ悩む、、、かずさんには何も言っていないし、、、そんな俺の考えに気づいたのか優人さんが優しく聞いてくる
「かずさんは今日お家いるの?」
「うん。今日の朝に仕事から帰ってきて、少し眠るって俺が家出る時言ってた。だから2人で楽しんでおいでって、、、」
そんな会話をしていれば優人さんのお父さんが口をひらく
「かずさんとは?」
「あぁ、今なつと一緒に住んでいる人だよ。俺がなつと出会う前からの知り合いで、なつにとって兄みたいな存在なんだって。俺も何回か会ったことがあるけどすごくいい人。」
「そうなのか、、、それなら家に呼んだらどうだ?」
その言葉に驚けばお母さんの方も "いいわね" なんて乗っかる
2人で顔を見合わせとりあえず聞いてみるかと連絡をする
すると突然の事に驚いていたけど『せっかくだからお邪魔しようかな』という事で、、、かずさんも優人さん家にやってきた
少し心配だったけどそれは杞憂に終わった
和やかに談笑する姿に胸を撫で下ろしていれば、急に玄関の方が騒がしくなり勢いよく開かれるリビングの扉
「優人に番だって!!??相手は!!!!」
そう大きな声で叫びながら1人の男性が入ってきた
「あっ、兄ちゃん」
「優人!!相手は誰だ!?」
そう言って優人さんの両肩を掴み問いかける
「落ち着いてよ、なつがビックリしてる」
「なつ?」
そう言って俺の方に目を向け近くに寄ってくれば「君がなつ君?」と問いかけられる
その言葉に頷けば
「なつは今声が出ないんだ、、、それに近いから。」そう言いながら優人さんがお兄さんから俺を少し引き離す
「そうだったね、そうか、、、君が、、、」
"この反応もしかして、、、お兄さんは反対なのかな、、" そう不安に思った瞬間 ガバッと抱きしめられ
「よかった、、、本当によかったよぉ、、、優人から相談されててもうお兄ちゃん心配だったんだよ、、、上手くいったのか、、、そっか、、、よかった」と号泣しながら伝えてきた
その様子に呆れながら「兄ちゃんなつから離れて」そう言って再び引き離す
「だってぇ、、、」と言いながら泣き続けるお兄さんに相変わらず呆れ顔の優人さんに思わず笑みが零れる
その光景にいつの間にかこちらを見ていた優人さんの両親やかずさんが笑う
そのうち優人さんやお兄さんも笑い始め何とも温かい空間になる
歳が近いこともあってか、かずさんとお兄さんはすぐに打ち解け名前で呼び合い連絡先の交換までしていた
その後は皆ではしゃぎまくって、俺とかずさんも泊まることになった事でさらに賑やかに
次の日みんなして疲れが抜けない顔で起きてきて顔を見合せまた笑いあう
優人さんの家族に会えて本当によかった
お家訪問から1週間、、、そろそろヒートを迎える時期になった
あれから優人さんの両親とかずさんが連絡を取り合いヒートの前には一緒に暮らし始めた方がいいだろうという事で色々準備をしてくれていた
それからはもうあっという間に事が進み昨日から優人さんと一緒に暮らしている
今回のヒートで番になる予定
初めはあんなに不安があったのに今ではもう優人さんと番になれるのが嬉しくて早くヒートこないかな、、、なんて思ってしまう
それから数日後、、、いつでも来い状態で洗濯物を片付けていた時
あの日と同じように、優人さんのパーカーが目にとまる
手に取りゆっくりと自分の方へ抱き寄せ顔を埋めれば "ドクンッ" と心臓が大きな音を立てた
その瞬間甘い匂いが部屋いっぱいに広がる
"あっ、、、きた、、、" そう思った瞬間鼻先をくすぐる優人さんの匂いに身体が疼きだす
匂いに気付いた優人さんが『なつ!!』と急いできてくれる
そのまま抱き上げベッドへと連れて行けばゆっくりとベッドの上に寝かす
優人さんが俺の上に跨がればすぐに深いキスをされ口内を犯される
息が上がりながらも必死に応える
優人さんの唇が移動していき乳首を刺激していく
それと同時に肛に触れる指
ヒートで求めるその身体はもう濡れていて
ゆっくりと指が1本中に入ってきたと思えば「すごく濡れてる…」そう言いながらすぐに2本3本と増えていく指が激しく動いていく
すると優人さんのものが視界に見え大きく反応しているのが分かる
ゆっくりと手を伸ばし触れれば一瞬ビクッと反応するその姿に興奮する
"俺も優人さんを気持ちよくさせたい...."
そう思った俺は体勢を変え軽く触れたそれを口に含む
「んん⋯⋯」軽く漏れる優人さんのその声が堪らなくて、、、優人さんの反応から探りながら刺激していく
それと同時にもっと優人さんを感じたい、早く優人さんが欲しい気持ちが強くなっていけば
「なつ、、、俺もう限界。入れたい。」そう言って俺をうつ伏せにする
そのまま優人さんのものが後ろにあたり少しづつ入ってくる
激しく動き始める腰にたまらずいってしまう
そのまま終わること無く続く行為に頭がボーっとしてくる
優人さんの動くスピードが早くなりもうヤバい、、、そう思った時
「なつ、、、噛むよ」
そんな声が聞こえてきた
気持ちよくて頭が回らず答えられない俺にもう一度「なつ…いいよね…?」と確認をする優人さんに頷いて返事をする
その瞬間項に広がるズキズキとした痛み
だけどすぐ後に広がる幸福感、、、
その瞬間2人同時にはてた
まだ少しだけ残る痛さが番になった事を実感させてくれる
"俺、、、ついに優人さんと番になったんだ、、、" そう思えば自然と溢れてくる涙
思わず泣いてしまった俺を見て優人さんが「やっぱり泣いちゃった」そう言って優しく髪に触れ、頬を撫で、深いキスを落とす
その後も何度も肌を重ね合わせお互いを求めあう
お風呂に入っても出てからも止まることのない欲求にただ素直に従う
あれから何時間経っただろう、、もう無理出ない、、、そんな状態で2人横になる
ほんとに幸せだ、、、
あの母親の元で心を押し殺し続けて生きてきた
そんな時に優人さんと出会って
少しづつ変わっていった
こんなにも大好きで愛おしいと思える存在に出会えるなんて思いもしなかった
そしてその相手と番になれるなんて夢みたいな事が起こるなんて思わなかった
優人さん、、、
これから先何が起こっても
貴方を愛し続けます―――
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