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第39話
そしてついに迎えた29日。
かずさんのおかげもあり当日までに飾り付けを終わらせる事が出来た
猛特訓した料理も今日は完璧だ。
するとチャイムが鳴る
かずさんと一緒にクラッカーをもって玄関へ向かい扉をあける
入ってきた優人さんに2人で鳴らしてお祝いの言葉を言えば、ビックリした優人さんの顔がだんだんと喜びに変わる
「なつもかずさんもありがとう!」
そう言って笑う姿をみて嬉しくなる
『それじゃぁ僕はこれから仕事があるからもう渡しちゃうね。』そう言えばかずさんが優人さんにプレゼントを渡す
受け取れば『開けてもいいですか?』とワクワクを隠しきれない様子で聞く
『もちろん!』とかずさんが答えれば早速開けていく。そこには名前入りのボールペンが入っていた
嬉しそうに手に取り笑顔でお礼を伝える優人さんにかずさんも嬉しそうに笑う
「僕は今日友達の所へ行ってくるから2人でこの後は楽しんで」
そう言って手を振り仕事へ向かうかずさんを一緒に見送った後に優人さんをリビングへ案内すれば、飾り付けや並べられた料理に嬉しそうな反応を見せる
「なつ、、、本当にありがとう」
泣きそうになってる優人さんに思わず僕も泣きそうになりながら『ほら、食べよう!』そう言ってテーブルに連れていく
優人さんは美味しいと何度も言いながら全部食べると『もう無理』と苦しそうな顔をする
その姿に思わず笑えば優人さんも笑う
その後ソファーで2人座って他愛もない会話をしていたけど、僕は意を決して優人さんに向かい合うようにして座った
ゆっくりと深呼吸をして口をひらく
「優人さん、改めてお誕生日おめでとう。
いつ伝えようか迷ったけど、、、あまり遅いのも良くないかなって思ったから今日伝えます。」
そう言ってもう一度深呼吸をする
それでも緊張で口が震え思わず下を向いてしまう
「優人さんが僕に会う度に気持ちを伝えてくれて、これからも一緒にいたいと言ってくれる事本当に嬉しかった。僕も優人さんが好きだから。でも、、、こんな僕が側にいても良いのか分からなくて応えられなかった。優人さんの側には可愛くて誰からも愛されるそんな素敵な人がお似合いなんじゃないかって、、、でも優人さんの側にいればいるほど別の誰かといる優人さんを想像すればする程胸が痛くて苦しくて、、、自分で作り上げた優人さんの隣に立つ人に嫉妬してしまって、、、あぁ僕こんなにも好きになってたんだなって。」
思わず泣きそうになるのを堪えながら話していたら両手を握られる
「優人さんを誰にもとられたくない。
僕の名前を呼んで好きだよって言ってくれる優しい声も
愛おしいというように見つめるその瞳も
抱きしめてくれる力強い腕も
優人さんの全部を僕だけのものにしたい
僕だけのものであって欲しいそう思った」
そして顔を上げ優人さんの瞳をまっすぐに見つめ伝える。
「優人さん……
あなたとこの先もずっと一緒にいたいです。
僕と番になってくれませんか…?」
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