43 / 52

第43話:優人side

話を聞いた後に席を外したかずさんが戻ってくれば3人で泣き、その後に笑いあった なつが笑ってる姿に少しだけ安心する 明日の為にも寝ようというカズさんに『寝れない』と言っていたなつに2人で子供扱いすれば怒っていたけど、、、すぐ眠りにつくなつ その姿を愛おしいと感じる なんとなくそうなんじゃないかと思っていた 会う回数が増えていく度に芽生えていく感情 会った時みたいに知らない男と肌を重ねている事が無性に気になったのも かずさんと楽しそうに一緒にいる姿を見かける度にモヤモヤするのも あの日あんな事を言われて無性にイラついたのも全部、、、全部なつの事を好きになっていたからで、、、 母親からなつを引き離そう このままではなつはずっとあのままだ そう思った俺はかずさんに声をかける 会社を経営している親がお世話になっている弁護士に相談して何とか出来ないかと思っている事を伝えれば『僕も何とか出来ないかと思っていたからお願いしたい』そう言われた 早速2人で話し合う とりあえず俺は家に帰った後に親に事情を説明し助けを求める事にした 本当は明日も朝から側にいたかったけど この先なつがあんな風に怯える事がないようにする為にその気持ちを抑え込む 帰ってすぐに親に軽く事情を説明すればすぐに連絡をとってくれ翌朝には弁護士の人に会えることになった 翌朝会えば母親がやってきた事が言い逃れ出来ないよう証拠を集めた方がいいとなり早速動く 連絡先を交換していたかずさんと連絡をとりなつと知り合った経緯を聞く そこから繋がっていく人達と片っ端から連絡を取り合い話を聞いていく すると色んな事が分かっていった まだ17歳のはずが皆なつの事を20歳を超えたフリーターだと思っていた 年齢を偽り自分の息子を売り込んでいたのだ 話を聞けば聞くほど怒りが募っていく そして、、、なつと初めて肌を重ねた2人組にあった 実際に会ってなつの事を聞けば 「あーあの子ね。よかったよね〜俺があの子の初めてで〜こっちが2番目!」 なんて言いながらヘラヘラと笑う 「ヒート起こしてる所にたまたま遭遇してさ、つい手出そうになったらなんか女が金出せばいいよ〜なんて言うからヤッちゃったよね〜!その他のやつに話したら興味もったから紹介もしたな〜なに?お兄さんも興味あんの?俺実は初めての時動画撮ってたんだよな」 そう言って携帯を出せば1つの動画を再生する そこには涙目で必死に抵抗するがどうにも出来ずされるがままになるなつの姿があった 何とか声を絞り出し嫌だというなつの声 その上から被せるように笑いながら話す男の声 自分の目の前に座る2人がこの動画をニヤニヤしながら見せてくるその神経に さっきまで抑えていた怒りが爆発する 机を強く叩き初めて〜なんて笑いながら言っていた男の胸ぐらを掴めば 「この子の母親はお前らを騙して金を得ていたこの子は未成年だ。俺はそれを警察に証拠と一緒に突きつける予定だ、言ってる意味分かるな?二度とこの子に近付くな」 そう言えば驚き途端に顔を青くする 『動画は今すぐ目の前で消せ』そう言うと画面を見せながら動画を消す それを俺が確認した瞬間に慌てて去っていった あの話を聞いていたから覚悟してたつもりだった どんな事を聞いても冷静に対応しなければと思っていた でも実際にあんな動画を見せられたら冷静でいられなかった 必死に抵抗するあの子になんであんな事が出来るのだろう なつが心におった傷の深さを考えたら涙が止まらなかった、、、 絶対にこのままあの母親の元になつを置いてはいけない そう思って集めた証拠を握りしめかずさんへ連絡する なつと一緒に迎えに行くと言うので公園に来てもらうことにした 公園近くで待っていればかずさんの車が見えてきた 元気そうななつの姿に安堵しながら、かずさんへ上手くいきそうだという事を伝える その日俺もかずさんの家に泊まる予定だったので一緒に部屋へ入る そしたら広く大きな窓がある部屋に興奮するなつがいた その姿に思わず頬が緩む、、良かった、、、 そして部屋を案内し終わった後にかずさんがなつに問いかける それは明日自分の家に行くのか、あの母親に会うのかという内容だった。 行くというなつに自分達も着いていくと言えば『何をされるか分からないから』と拒否する そんなのなつだって一緒だろ?そう思えば同じ気持ちだったかずさんと一緒に着いていくと抗議する 結局玄関で待機!というなつの提案にすぐに駆けつけられる距離という事で納得する そして迎える翌日 お昼頃に目が覚めれば2人はもう起きていた お昼を食べ少し時間を潰した後になつの家へ向かう 途中でなつの心配そうな顔が見えて思わず手を握る 家へ着きなつが入る 玄関の所でかずさんと待機する でもドクドクと不安な気持ちが増していく なつは大丈夫だろうか、、、 そう思ったら廊下を進みリビングの前にきていた すると中から『いた.....ぃ....やめっ......』となつの声が聞こえた瞬間俺は足を進め2人に近づき 『何してんの?』となつの髪を掴む女の腕を力強く掴んでいた―――

ともだちにシェアしよう!