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第45話:優人side

リビングに移動した少し後に連絡していた弁護士さんがきたので話を始める これからもかずさんと住んでいても問題はないようにしていく 正直まだ不安な部分もあったけどなつがあの母親じゃなくかずさんと過ごせるのなら安心だ 話も終わり2人が帰る事になり『落ち着いたらご飯とかでも行って会おうな』そう言えば 『色々とありがとう』とお礼を言う 『俺がしたくてやっただけだから。』だからお前が気にすることなんかない、そう思って頭をくしゃくしゃと撫でればなんだか笑ってる その姿が可愛くて覗き込めば 「かずさんと似たような事言うなぁと思って」 なんて言うんだ。 一瞬固まるがさっきよりも強めになつの髪をくしゃくしゃと乱す 何とか出さないよう気をつけるが 気になってしょうがない、、、 なつお前はかずさんの事どう思ってるんだ そう思いながら複雑な不貞腐れたような態度でいればかずさんがニヤニヤとこちらを見ているのが分かる もうほんとあの人楽しんでるでしょ、、、 2人を玄関で見送り1人になった時に安心したのもあったのか連日の疲れがどっと出てきた なつが倒れたの見て病院に付き添った日から色々と動いていた後にそのまま学校にも行ったからか今では体が鉛のように重い 今日は早く休もう、、、 あれから数日してなつからかずさんのやってるホテルで働く事にしたと連絡があった "あの人社長なの?ほんとすごい人だな、、、" それからはなつの仕事が始まりあの公園で一緒に過ごす時間は減ったけど、その分電話をする事が増えた 「今日仕事で褒められてケーキ貰っちゃった!!先輩達も優しくて色々任せてもらえるようにもなって嬉しくて楽しい!」 そう明るく話すなつにこっちも気持ちが上がる その様子に公園で会っていた時の明るさとはまったく違う事に気付き、あの時は無理していたんだなっていうのが分かる 学校が冬休みに入りどうしようかと思っている所にかずさんから連絡がはいった 「なつが大変だ。すぐに来て欲しい。」 それだけ言うと電話がきれた 急いで家を出てかずさんの家へ向かえばかずさんが外で待っていた 『かずさん!』そう名前を呼べば『来てくれて良かった』そう安堵する 何があったんだろうかと不安に思えば 「なつがヒートをおこしたんだ。いつもよりひどい状態で、、、」 「えっ、、」 「何度かヒート期間を一緒に過ごしたけどここまでなのは初めてなんだよ。僕でも分かるほどの匂いがして、慌てて駆けつけたら優人くん君の服を握りしめたまま座り込んでた。」 その言葉にドキリと心臓がなる 「優人くんなつの事頼んでもいいかな?」 真っ直ぐに俺の目を見てそう言うかずさんに俺は頷いた それを見てかずさんはゆっくりとドアを開ける 部屋に入り少し進めば香ってくるフェロモンの香り なつの部屋の前に立ち扉をノックする 『は、、、ぃ、、、』と今にも消えそうな声で返事が聞こえる 扉を開ければ驚いた表情をしたなつと目が合う その手には俺の服を握りしめていて 高揚した顔に荒く漏れる吐息 そして部屋いっぱいに広がるなつの香り 『なんで?』そう呟くなつにかずさんから聞いたと答えながら ベッドに近付きなつの側に座り、ヒートがここまでなのは俺が原因じゃないのと問いかける 頬に触れればさらに赤くなる顔に目はとろんとしている その姿にもう我慢をするのが限界に近付いていた なんとか自分の思いを伝えるが何も言わないなつ お願いなつ、、、 お前の気持ちが知りたいんだ 聞かせてくれよ 今すぐにでも抱きしめてキスして その熱を俺も一緒に感じて なつの全てを独占したいんだ だから、、、なつ 「お願い、、、答えて、、、」 そう縋るように言いなつを抱きしめた その瞬間広がったさらに濃い匂い くらくらする程の甘さが俺を刺激する 何とか耐えていれば聞こえた言葉 「優人さんの事が、、、すき、、、」 慌ててなつの顔をみれば目にいっぱい涙をためて微笑んでいた すると『す、、き、、、』ともう一度微かに呟いた やっと、、、やっと言ってくれた そう思ったらキスをしていた 優しく触れるだけのキスを何回も繰り返す でもそれだけじゃ足りなくて なつが呼吸をしようと口を開けた僅かな瞬間を狙って舌を滑り込ます 途端に甘い声を漏らすなつにぞくぞくする 何度も舌を絡め上顎をなぞればビクッとして離れそうになるのを後頭部に手を回し阻止する すると『むり……』そう言って力が抜けるなつをしっかり抱きとめればベッドに寝かす さっきよりも火照った顔で俺を見つめるなつに心臓が高鳴る 目元にキスを落とせば嬉しそうな顔をする そのまま頬や首元に落としていけば再び甘い声を漏らす そのまま首元に顔をうずめ吸い付く 離れれば赤い跡が1つくっきりとついている なつの身体に俺がつけた跡がある その姿に言いようのない感情が溢れ出し思わずニヤリと笑う そしてそれと同時にふつふつと湧き上がる底知れぬ独占欲 今目の前で甘い声をだし恍惚とした表情で俺を見つめるこの子は俺のもの 『なつは俺のものだからね―――』

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