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第3話【蓮視点】

え?千秋に彼女? そんな噂を耳にするようになった。最初は何かの間違いだと思っていたけれど、家でも誰かとメッセージのやり取りをしている。 こんなこと今までなかったのに… 最近、仲良くなった部活のマネージャーとは恋愛について相談されてよく話すようになった。 同じ学年だけど、あまり話したことはなく、これがきっかけで急激に仲良くなったもんだから周りからは付き合ってるんじゃないかと聞かれることもあったが、もちろん、そんなことはない。 どんなことでも一生懸命取り組んで頑張っているマネージャーだが、恋愛に関しては何をどう頑張ったらいいのか分からないらしい。 付き合っている彼氏が何もしてこない…私に魅力がないからかな…と言う相談内容に俺は、好きな人と一緒にいられるなら何もしなくてもいいじゃんと返した。 だけど、家に帰って千秋と話すと、友達とはしないようなこと…つまり性的なことを好きな人とはしたいと言っていた。それって…キスとかセックスとか…? 確かに、特別なことだから特別な人としたいよな… 俺たちの関係が友達だとか恋人だとか、そんなものこれまで考えたこともなかった。ただ、お互いに一番近い存在で、それはこれからも変わることはないと思っていたのに… 友達じゃしない色んなことをしなくたって千秋が側にいれば俺はそれだけで良いのに… 約束忘れたのかよ…ずっと側にいるって言ってくれた、あの約束…俺を慰めようと言ってくれた言葉かもしれない。確かに、あの言葉に救われた…あの日から、千秋が俺の生きる意味になっている。笑っていられるのも…とにかく俺の全ては千秋で成り立っているのだ。 友達よりも恋人の方が深い関係だと千秋が思っているのなら、それが側にいる理由になるのなら…俺は千秋の恋人になりたい。特別な存在になりたい。 そう思ったら止まらない。 俺の側から離れないように…俺のものにすることだけを考えた。

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