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第4話【無理矢理】

由佳は告白されることも揶揄われることもなくなった。だけど、元々付き合うフリをしていただけで本当には付き合っていないから別れるとかもなくて、お互いが何も言わないが、そのまま友達の関係が続いている。 由佳には別の学校に恋人がいる。 二人は小さい頃から仲良しで、いつも一緒にいたらしい。今の俺と蓮みたいな関係だ。中学の卒業式の日に勇気を出して告白したら相手も同じ気持ちで、その日から付き合う様になって今でも仲良しだと言う。 勇気を出して告白か… あのマネージャーには蓮から告白したのかな… あの約束を俺だけがいつまでも意識して、俺だけが何も動き出せなくて…でも俺から気持ちを伝えることはしないと決めている。蓮の未来のために… どんな形でも蓮の側にいられる限りはこのままで…いつか、いられなくなるその日が来るまでは蓮の側にいたい。 そろそろ、由佳のことを蓮に説明しなきゃな… 噂はすぐに落ち着くだろうと思っていたのに、本格的に俺と由佳が付き合っていると周りに認識されている。 だけど、ここのところ、蓮の様子がおかしい。なんだかギクシャクしていて居心地が良くない。 「ね!千秋くん聞いてる?」 「あ、うん。明日、駅前のカフェね」 「そう。梨花も楽しみにしてるから」 「あぁ 分かったよ」 由佳の恋人に会うことになった。 由佳の恋人が、由佳の恋人のふりをする俺がどんな人なのか会ってみたいと言う。まぁ、気になるよな… 明日は土曜日で学校は休みだし、もうすぐ蓮の誕生日だからプレゼント選びに行くのもいいな。 次の日、由佳と恋人の梨花に会った。 性格の良さそうな可愛らしい女性だった。 1時間程話した後、別れ際にお礼と称してプレゼントをくれた。由佳はニヤニヤしてたけど敢えて何も言わずに、ありがとうと受け取った。 家に帰って由佳たちがくれたプレゼントを開けると、お揃いのブレスレットだった。確かに、俺が蓮のことを好きなことも話したから知ってるけど、だからと言って、どんな風にコレを蓮に渡せと? もらったからあげる。って言っても「??」ってなるよな… しばらくして、勢いよくドアが開いた。 そこには、これまで見たことのない顔をした蓮がいた。 「千秋…お前彼女でもできたのか…?」 「あぁ、その事なんだけど蓮には話そうと思っていた…っ」 話してる途中なのに蓮にベットに押し倒された。突然のことで頭が回らない。 「ちょっ、ちょっと…っれん…」 「……」 「れん…痛いってばっ…何でこんなことっ…」 「……」 「っうっ…っ………」 「……」 「れん…」 その日、蓮に無理矢理された…歯を食いしばって耐えた。涙も涎も構わずに必死で…枕に顔を擦り付けながら耐えた。こんなに辛い…身体が痛い…何より心が痛い… 「なんでたよぉ…れん…」 誰もいない部屋、一人呟いた言葉に答えてくれるはずもなく、、また涙が溢れた。 無理矢理挿れられたお尻は切れてズキズキするし…それでもシャワーを浴びたくて痛む身体を何とか立たせて浴びたけど浴びててよかった。 その日から三日間高熱が出て寝込んだ。 何故あんなことをしたのか理由なんて知り得ることもなく時間だけが過ぎていった。 蓮の側にいることを諦めかけた時、再び蓮は部屋に来て無理矢理シて出ていった。 それからも、突然来て俺を押さえつけて後ろから何も言わず終わったら出ていく。 次も、また二週間後の金曜日かな… 慣れって怖い…大体いつ来るかも分かってきたし、無理矢理された最初は高熱が出たけど、今でも慣らされもしないまま挿れられるから痛いのは痛いけど熱は出なくなった。しばらくはジンジンして動けない。だから、土日は必然的にベットの上で過ごすことになる。 クリスマスも冬休みも蓮の誕生日も…一人で過ごした。 俺はこんなにも嫌われるようなことをしたのだろうか…話しかけても答えてくれない。 それなのに、相変わらず二週間に一回金曜日には、自分本位のセックス?をしにやってくる。 その時しか話す機会がない。次は何としても何でこんなことをするのか聞き出してやる。 学校の行き帰りはもちろん、学校でも蓮とは一緒にいることはなく、それまで蓮と一緒にいる事がほとんどだったから今更他の誰かとつるむ気にはなれなくて一人で本を読むか、たまに由佳と話して学校生活を送っている。 あと一年で卒業。今年は受験の年だ。蓮と同じ大学に行こうと言っていたが、あれはもう無効だよな…  

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