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第102話
くすくすと笑いながら、耀くんが僕を抱き上げてベッドにどさりと下ろした。
覆い被さってくる耀くんの首に手をかけてキスをねだる。
上から額と額を合わせるように、耀くんが僕を覗き込んだ。
「絶対誰にも見せたくないくらい可愛い」
そんなことを言って、一度ちゅっとキスをした。
「それに、すっごい色っぽくなったよね、碧。綺麗になった」
なにそれ、と反論しようとした口を再びキスで塞がれる。
綺麗なのは耀くんの方なのに
そう思ったけど、上顎を舐められてどうでもよくなってきてしまった。
キスをしながら、耀くんの手が、頭を、頬を撫でて、大きめのTシャツの上から身体に触れる。
「襟がどのへんか覚えとかないとヤバいな」
首元に口付けながら耀くんが言う。
「な…んで…?」
もう、息が上がってきてる。
「うっかり見えるところに痕付けちゃマズいだろ? やっぱり」
痕…この前付けられた…
「あ…」
耀くんがTシャツの襟を少し下げて肩のあたりを強く吸った。
ちょっと痛い
でも…
「…ねぇ耀くん。すぐ消えないぐらいキツく、付けて…」
見上げながら言うと、耀くんは僅かに目を見張った。
「いいの? 色々困るんじゃない?」
低くて甘い声で問われる。
「…いい。体育、サボるから…」
「不良だなー」
そう言った耀くんが今度は鎖骨のあたりに口付けた。
「んっ」
痛みに眉が寄った。耀くんが唇を離して、さっき吸ったところをぺろりと舐めた。
今度はぞわりとする。
「ちょっと強過ぎた? 痛かったよね、ごめんな」
「ううん…。嬉しい。これならしばらくは消えないし…」
痕を付けられたあたりに指を這わす。耀くんがクスッと笑った。
「消える前に、また付けてやるよ」
「え…」
一拍遅れで理解して、身体がぶわっと熱くなる。
「すっごい綺麗に色付いていくね、碧」
もっと見せて、と言いながら、耀くんが僕のTシャツを脱がしていく。
肌を露 にされて恥ずかしいけど、この先への期待感の方が大きい。
僕は耀くんのTシャツを掴んで上に引っ張った。
「脱がしてくれるの?」
嬉しそうに微笑みながら耀くんが言う。僕は小さく頷いて、さらにTシャツを上にたくし上げた。僕に覆い被さった耀くんの片腕ずつ脱がして、最後に頭をすぽっと抜いた。
「碧はほんとに可愛い」
可愛過ぎてヤバい、そう言って耀くんが僕を抱きしめた。耀くんのTシャツは両手に絡まったまま。それを耀くんは僕の手から外してベッドの下に落とした。
肌と肌を合わせて抱き合うのは、どうしてこんなに気持ちいいんだろう。
耀くんの背中に手を回して、僕よりずっと厚みのある身体を抱きしめた。
再び唇が重なって、夢中で舌を追いかけていると、胸をするりと撫でられて身体がびくりと跳ねた。
耀くんの大きな手が胸の上を這って、先端の突起を親指の腹でくりくりと撫でる。
「ん…っ、あっん…っ」
耀くんが唇を離したから、声が出ちゃう。
恥ずかしい…っ
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