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第104話
再び僕の上から覆い被さりながら、耀くんは僕の頬に口付けた。
脚に耀くんの熱があたる。
すごい硬い…
思わず喉がごくりと鳴ってしまった。耀くんが僕を見下ろしてニヤリと笑う。
期待に反して耀くんは僕に触ってくれない。
「今日は、碧の中に入らせてね」
「え?」
耀くんの大きな手がおしりを撫でて、そして身体の奥の入口に触れた。
「痛かったら言って。嘘ついても分かるからね」
そう言ってまたキスをする。上顎を舐め、歯列をなぞる舌を夢中で追いかけた。
やっぱり上手く息ができない。
くらくらしながら耀くんの熱い肌にすがりついた。
やっと唇を解放されて息を吸う。
「あっ」
ほんの少し冷たい何かを奥に塗られた。そのまま、指が円を描くようにそこを撫でる。
恥ずかしい、そんなとこ…
やわやわと撫でられる知らない感覚に唇を噛んだ。
どんどん心拍が上がってて、呼吸が荒くなっていく。
僕を見下ろす耀くんにしがみついて違和感に耐える。
「碧、平気? 気持ち悪かったりする?」
「わ、わかんな…あ、んっ」
僅かに指を立てられて、また入口をほぐすように撫でられる。
へんなかんじ…でも…
耀くんが、痛くないように気を付けてくれてるのはすごく分かる。
丁寧に丁寧に撫でられて、指が慎重に僕の中に入ってきた。
「あ あ…んん…っ」
思わず唇を噛むと、耀くんがあやすようにキスをしてくれた。
優しく啄むように口付けて、そして唇を開くように舐められる。
舌を入れられて口の中を舐められながら、身体の奥を指で広げるように撫でられる。
耀くんの指、長い…っ
「…ん…っ」
キスで口を塞がれたまま、くぐもった声が漏れる。脚がビクッと跳ねた。
「ここ、気持ちいい?」
唇を合わせたまま、身体の中の指にさっき触れた場所を探られる。
「あ、あ、あ…んっ」
勝手に脚が、腰が跳ねてしまう場所を、何度も何度も擦られて目の前がチカチカした。
身体が溶けてしまいそうな気がする。
「こっちも、触ってないのに溢れてきてる」
「や…っだぁ」
言わないで
萎えかけていた性器は再び痛いほど張り詰めていた。
もう、どこをどうしてほしいのかも分からない。
「…ようくん…、あ、もう…へんになりそう…っ」
「そんなに気持ちいい?」
身体の中に入ってくる指が増やされて腰が浮く。
「わっ、わかんな…あっあっ」
自然に脚が開いてしまって恥ずかしい。
「そろそろ…平気かな。てか俺がもうやばい」
ずるりと指が抜かれて快楽の途中で放り出されて、耀くんの指で点けられた身体の奥の熱が行き場を失って暴れ出す。
「ようくん…はやく…っ」
どうにかして…っ
そう思って耀くんを見上げた。視界が涙で潤んでる。
僕の脚を抱えた耀くんの喉が、ごくりと上下するのが見えた。
そして耀くんは眉間に皺を寄せて口元だけで笑う。
見たこともない獰猛な笑み。
「碧はほんとにさ」
散々ほぐされて柔らかくなった入口に硬いものがあてがわれる。
「あ、あ よ、ようくん…っ」
ぐいと圧し広げられて頭までビリビリした。
「可愛くて色っぽくて、やばい…っ」
この誘惑には勝てない、と鼻の頭に皺を寄せて言う。言いながら、少しずつじりじりと耀くんが僕の中に入ってくる。
「痛くない? 碧」
少し掠れた声で訊かれた。
「うん…いたくな…、あ、ん…っ」
さっき指で触れられた場所を擦られて足の先まで痺れた。
「やっぱここ、いい? 碧」
甘く蕩けるような低い声で囁きながら、何度もそこを擦られる。
もう頷くのが精一杯で声も出せない。
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