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食事しながらダイビングで見た魚やクラゲの話をしているうちに、陽斗もリラックスしてきた。ビールが程よく回ってお腹もいっぱいで、好きな人がそばにいる。
ゲイの自分に恋人ができるわけないと思っていたのに。日本から遠く離れた南の島でこんな幸せが待っているとは夢にも思わなかった。
外からは風の音が聞こえているし、これから嵐が来るというのに、この部屋の中はとても安心できる。
片付けをふたりで済ませて、リビングで映画を見ることにした。陽斗も映画好きなので、互いにおすすめを紹介したり、映画館に行ったりもする。
「ネット配信のある時代でよかったと思うよ」
「そうですね」
今はオンデマンドで好きな番組がいつでも見られる。
リビングに置かれたソファは寝転んでテレビを見るために大きいものを選んだそうで、大人が四人ほど座れそうだ。それなのにぴったり横にくっつかれて、心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかと心配になる。
いや、それよりも自分の心臓が破れるのが先かもしれない。大きな手が髪をなでるので、陽斗はかちんと体を硬くした。
「そんな、緊張しないで」
陽斗は首筋まで真っ赤になってうつむいた。
恥ずかしくて埋まりたい。今どき高校生だってこのくらいのスキンシップで照れたりしないだろう。でもこれまで何の経験もない陽斗は、好きな人が側にいるだけでもドキドキする。
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