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「ヤバいな、ゆっくりするつもりなんだけど」
けっこう興奮してる、と耳元にささやかれた。初心者の陽斗相手に興奮してるようには見えなかったけれど、密着すると大倉の昂ぶり具合が伝わった。
そして、自分に触れて大倉がこうなるのかと感動する。自分はちゃんとそういう対象なのかと思って、頭の中がカッと熱くなる。
「陽斗も感じてる?」
下半身に手を伸ばされて、熱はますます上がった。
「え、あの……、はい」
しっかり勃起しているのに嘘もつけなくてこくりとうなずいた。
「ここもかわいいな」
胸の先をつまんだりこねられたりしているうちに、じわじわと不思議な感じがそこから広がった。快感と呼ぶには弱いけれど、でもじりじりと炙られるように腰に響いてくる。
「気持ちいい?」
大倉が笑った気配がして、陽斗もうれしくなる。大倉の昂ったものが陽斗に当たっていて、それもうれしい。
「修二さんも……?」
「ああ、すごくいい」
大倉の大きな手が陽斗の昂ぶりに触れてきて、陽斗もそっと手を伸ばして握った。他人に触れるのはもちろん初めてでぎこちないけれど、大倉が「いいよ、続けて」と言ってくれたので安心した。
大倉の真似をして触っていると自分でしているのか相手に施しているのかわからなくなって、陽斗は小さく首を振った。
でも陽斗がついていけたのはそこまでだった。大倉の愛撫が大胆になると、陽斗は翻弄されるだけになる。
「あ、ああっ、それ……だめ、です…」
初めて他人から与えられる快楽に勝手に腰が揺れてしまう。とろりと濡れた先端を弄られてびくびくと背中が震える。
「気持ちいいだろ。すごくかわいい顔してる」
「ちが、あっ、や、ふ……っ、ああっ」
強弱をつけて擦られて、ぞくぞくした快感が背筋を駆けのぼり、射精感がこみ上げる。
「まだ、我慢して」
もう少しで頂を越えられるというところで、大倉が手を止めた。つい恨みがましい目で見てしまったら、ぬるりとした感触を後ろに感じて、そこをやわらかく押された。
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