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「え……?」
「楽にしてて」
ゆっくりと前を扱きながら、後孔をマッサージするように押してくる。思わず肩にしがみつく。男同士の場合、そこを使うのは知っている。でも現実感がまるでなかった。
「ここは嫌?」
「わ、わかりません」
嫌じゃないですと言おうと思ったのに、つい本音が出てしまった。でも大倉は怒らなかった。
「だよな。初めてだろ?」
陽斗がうなずくとキスされた。
「じゃあ、ちょっと試すだけな。嫌だったらすぐに言って」
ゆったりした口づけに気を取られている間に、そこを解される。大倉は指先をほんのすこし出し入れしながら、もう片方の手で前を扱く。その刺激に陽斗は混乱した。
「や、あっ、ん……、なんか、それ……っ」
初めての感覚に不安になって、陽斗は大倉の肩にしがみついた。しゃくりあげるように息をして、大倉にゆだねていると低い声がささやいた。
「1本だけ、入れてみようか」
「……はい」
小さく答えるとすぐに指が入ってきた。ジェルをまとった指はほとんど抵抗なく入ってしまって、陽斗は驚く。違和感はあるけれど、痛みはなかった。
「え?」
「痛くないだろ? 陽斗の体、素直でいいな」
大倉は目を細めて笑い、褒められたようなので陽斗はあいまいにうなずく。もう恥ずかしさも極まっていて、あれこれ考える余裕はない。体が熱くて、越えたくても越えさせてもらえないもどかしさで、腰がゆらゆら揺れる。
「陽斗は中で感じるタイプだと思う」
人によってはまるで感じないということは、陽斗もネットの知識で知っている。すごくいいという人もいれば苦痛だという意見も見かけた。
大倉は片手で胸の先を弄りながら、もう片方の手で中を探る。胸から広がるじわじわした快感と、体内で動く指の違和感に息をひそめていると、ある一点を押された瞬間、びくっと大きく腰が跳ねた。
「やあっ?」
「あ、悪い。強すぎたか?」
指先でそこを優しく押されると気持ちよさがぶわっと溢れて、さっきの電気が走ったような感覚が強い快感だったとようやく理解できた。
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