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「あ、これ……」
「ああ、気持ちいいだろ」
優しく何度もそこを擦られて、体内の熱がどんどん上がる。その熱の逃がし方がわからなくて、陽斗は大倉にしがみついた。
他人の手で与えられる快感は自慰とはまるで違ってコントロールができない。涙がこぼれて、陽斗は首を振る。
「や、あっ……ああっ、もう……っ、あっ」
「いっていいよ」
大きな手で扱かれたらあっという間に頂上を越えていた。陽斗は腰を振って、鮮烈な快感を味わった。頭がぼうっとして、大きく胸を喘がせる。
「大丈夫?」
「……はい」
大倉がシャワーの湯を出して、すっかり消えてしまったボディソープを洗い流した。その時になって、大倉の状態に陽斗は気づいた。まだしっかり力を蓄えたものを見て焦る。
どうしよう、自分だけすっきりしてしまった。同じ場所を洗ってと言われたのに、それも途中で終わっている。
今から触っていいのかな。え、待って、同じところってことは、指を入れる、のか?
もちろんやぶさかではないが、初めてなのでうまくできるかわからない。痛くさせたらどうしよう……。でも指1本なら痛くなかったし、大倉より指が細いから大丈夫かも?
頭から湯を浴びながらあれこれ迷っていると、大倉が顔をのぞきこんだ。
「陽斗、大丈夫?」
「大丈夫です。あの、僕も、指入れたらいいですか?」
「は?」
大倉が目をまるくして、それからびっくりした声で訊ねた。
「え、陽斗は俺を抱きたいのか?」
「はい? 抱く?」
陽斗もきょとんと目を丸くした。そんなことは考えたこともない。
「同じ場所を洗うって言ってたから、同じことをした方がいいのかと思って」
困惑した返事を聞いた大倉が爆笑した。え、なんか間違えた?
「ごめん、俺のことは大丈夫。でも陽斗が触ってくれたらうれしいよ」
笑いながら手を取られて、一緒に握らされた。その熱と硬さにドキドキしながら大倉を頂上まで導く。短い息遣いがやけに艶めいて聞こえて、うれしくなった陽斗は丁寧な愛撫を続けた。
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