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ベッドで大倉の体温を感じながら、陽斗はふがいない自分を悔しく思う。
誘われたら最後までするつもりだったのに、いざとなったら体が竦んでしまった。心の広い大倉は無理しなくていいと笑って、触りあうだけで終わってくれた。
大人の彼に我慢させたと思うといたたまれない。陽斗だって大倉が好きで、ちゃんと抱き合いたいと思っているのに。
右も左もわからず、とにかく現状を変えたいと衝動的にやってきたこの国で、大倉はいつもさりげなく陽斗を助けてくれる。
この島に来てよかったと陽斗は心から思っている。
あのまま日本に残っていたら、きっと心と体を壊して、病院のお世話になっていただろう。いや、すでに倒れて入院までしたのだから、もう限界だったのだ。
日本の会社を思い出して、陽斗はきゅっと唇をかんだ。今もまだ喉がつまったように息が苦しくなる。
新卒で就職した会社で、陽斗は入社直後から先輩社員の一人からねちねちと陰湿な嫌がらせを受けるようになった。
提出した書類を隠されたり、陽斗にだけ会議時間の変更を伝えなかったり、一つ一つは小さなことだけれど、陽斗のミスにつながるようなやり方が巧妙だった。
「今度の新人、使えないね」
そんな評判が立つまで、それほど時間はかからなかった。
やがて同期からも孤立し、部内全体からなんとなく疎外されるようになり、半年たつ頃にはストレスで全身に蕁麻疹が出たり、下痢や嘔吐が続いたりするようになった。
それでも頑張って就職活動をして入った会社だから必死に仕事に行った。けれども夏には高熱を出して3日ほど休んだ。
熱が下がって出社したら「まだいたのか」とその先輩社員からさらにひどい嫌がらせをされるようになった。
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