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 本当に波の音が聞こえるせいかもしれない。ザザンザザンと静かな海の音は、ゆったりと気持ちをリラックスさせるように響いている。  未知の領域まで大倉を受け入れて、陽斗は背中を震わせた。  想像したような痛みはなく、ローションをたっぷり使われたおかげでスムーズに受け入れている。違和感と圧迫感はあるけれど、大倉を受け入れられたことがうれしくて気にならなかった。 「ああ、あっ、しゅうじ、さ……、あっ……ん」  陽斗がリラックスしているのを感じ取って、大倉が動きを大胆にしていく。 「中すごく熱い。気持ちいいよ」 「ホントに?」 「ああ。ちょっとヤバい、がっつきたい感じだ」  腰を揺らすたびに大倉の短い息づかいが聞こえる。それがとてもうれしい。自分はちゃんと大倉に快感を与えているのか。  ドキドキして涙がじわじわあふれてくる。それを枕に押しつけてから、ささやいた。 「いいよ、修二さんがしたいようにして」 「だから、そんなことを言うなって」  大倉がすこし困ったように言う。怒ってるわけじゃないと、陽斗にもわかる。照れて、困っている声。  一方的じゃなく、一緒に楽しめていると思ったら顔が見たくなった。恥ずかしさもあるけれど、この時しか目にできない大倉の表情を焼き付けたい気がした。 「修二さん」 「何? つらい?」 「ううん。顔が見たいなと思って」  それを聞いた大倉が、ゆっくり動きを止めて「向かい合ってしたいの?」と驚きの声をあげた。 「だ、だめ、でした?」 「いや、うれしい。むしろ大歓迎。ちょっと待って」  大倉が体を引いて、陽斗を仰向けにした。正面から顔を見た途端、陽斗はかあっと真っ赤になった。汗で髪をかき上げた大倉が予想以上に色っぽくて、ドキッとしたのだ。 「かわいいな、陽斗は」  まぶしい笑顔で言われて「ぎゅあーーーーーーー」と転げまわりたかったが、大倉が乳首に唇を寄せたのでそれはできなかった。  口に含まれて舌先で押しつぶされたり吸われたりすると、すでにそこで快感を得ることを覚えた体は素直に蜜をこぼし始める。 「あ、しゅう……っ、あっ、ああ」  先端の丸みを撫でられて、快感は一気に跳ね上がる。  ここはとても安心して気持ちがいい。怖がる必要なんかどこにもない。陽斗は蕩けそうな快感の中で、大倉と同じリズムで体を揺らした。  

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